繊維ニュース

チャイナナウ/中国で「TAION」ブランド拡大/D.O.N海外セールスマネジャー 石橋 彬光氏

2023年12月26日 (火曜日)

 D.O.N(名古屋市中区)が運営するインナーダウンウエアブランド「TAION」(タイオン)が、中国でセレクトショップへの卸売りを拡大している。このほど、大手ブランドとのコラボレーション展開を始め、知名度を高めている。石橋彬光・海外セールスマネジャーに、中国内販の現状を聞いた。

(上海支局)

  ――「タイオン」は、2016年に日本でスタートしたインナーウエアに特化するブランドです。

 インナーウエアのカテゴリーに絞っています。大手企業がなかなかやらないやり方です。24秋冬では100型、1万を超えるSKU(商品の最小管理単位)を投入します。アイテムはメインのダウンベストのほか、コートやパンツも展開しています。インナーウエアと呼んでいますが、アウターとして着用されるケースも多いです。ベーシック、ミリタリーなど複数のラインを展開し、さまざまなデザインを投入しています。

  ――欧米やアジア各国でも展開しています。中国内販はいつから。

 2年前に伊藤忠繊維貿易〈中国〉(ITS)と組んで、本格化しました。ITSにディストリビューターになってもらい、販売から物流、プロモーションまで委託しています。

  ――ITSはアウトドアウエアブランド「グラミチ」を展開していますね。相乗効果は出ていますか。

 はい。グラミチなどを扱う全国25のセレクトショップに卸売りしています。元々の規模が小さかったこともありますが、中国の売り上げの伸びはグルーバルの中で最大です。

  ――「ニューバランス」と中国限定のコラボレーションに乗り出しました。

 先月から全国に12店あるニューバランスチャイナの旗艦店(NBグレイ)で、コラボレーションアイテムのコートを販売しています。売れ行きは想定以上です。この取り組みにより、ブランド認知度が高まっています。

  ――今年は景気低迷の影響で、中国市場は全般的に勢いに欠きます。

 とはいっても、日本市場の厳しさに比べれば状況は良いと思います。消費意欲は高く、市場の勢いを感じています。タイオンの購買層は、皆さんファッション感度が大変高いです。

 中国で成功すれば、海外への波及効果も期待できます。日本と並ぶ最重要市場として、今後も重視していきます。