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サンエスの中国法人/「コーデュラ」作業服を内販/地場EVメーカー開拓も着手

2023年12月27日 (水曜日)

 【上海支局】サンエスの上海法人で、ワーキングユニフォームの中国内販を手掛ける上海善媛司服飾の2023年業績は、前年に比べ増収増益になる。米インビスタ社の高強力素材「コーデュラ」を使ったユニフォームを、地場企業から受注したことが貢献した。地場電気自動車(EV)メーカーの開拓にも着手した。

 コーデュラ使いのユニフォームの顧客は、食品関係の地場メーカーだ。秋冬向けで、先月納品した。「来年の春夏向けの受注も決まっている」と、屈統新総経理は話す。

 米EVメーカー、テスラの上海工場向けと、独自動車メーカー大手のダイムラーと地場大手、北京汽車の合弁会社、北京ベンツの工場向けも引き続き受注した。これに加え、台頭する地場EVメーカーや、EV向けバッテリーメーカーの新規開拓にも乗り出した。

 来年は景気の悪化が一層進み、商況が厳しくなる可能性がある。そのため、大手EVメーカー向けを手掛けていることをアピールしながら、新規開拓を強めていく。

 同社の顧客は、外資メーカーと、上場する民営大手メーカーが中心だ。営業スタッフは15人弱で、日系ユニフォーム会社としては最大規模とみられる。協力工場を柔軟に活用することで短納期に対応している点や、多品種の生産に応じることができる点が強みだ。東レグループの東麗酒伊織染〈南通〉(TSD)の生地を、積極的に採用している。