新春アンケート どうなる2024年の繊維産業(3)

2024年01月05日 (金曜日)

〈海外生産・調達を拡大するか?/首位は今回も越、インド躍進〉

 「海外生産・調達を拡大するか?」の問いには、73%が「する」と答えた。前回の79%からはやや下がったが、依然として日本の繊維関連企業の海外生産志向が高いことがこの結果からも分かる。

 拡大させる場合の対象国・地域の1位は60票を獲得したベトナムだった。これで11年連続の首位となった。中国は前回まで長らく2位を死守してきたが、今回は36票を集めたインドネシアに取って代わられた。票数自体も前回の32から25に減らしている。欧米アパレルによる中国生産回避やリスク分散の考えが強まっているもようだ。4位バングラデシュは前回と変わらず。5位には設問回答の選択肢に用意していなかったインドが10票を集めて入った。インドは前回調査では6票で7位だった。インドからの糸・生地・縫製品仕入れを拡大させる日本企業が増えている。

 ベトナムを選んだのはOEM商社が多い。生地や副資材の生産が拡大しているとはいえ、まだまだ縫製地としての存在感が強いためだ。その理由としては「品質およびコスト競争力が高い」(伊藤忠商事)、「チャイナリスク顕在化への対応」(豊田通商)、「他国と比較してリードタイムが短く、安定した生産背景があり、生地の手配も可能なため」(タキヒヨー)などが上がる。

 ダウントレンドとはいえ中国を推す声も依然多い。その理由としては、「生産能力が向上し、品質が高度に改善されたため、生機生産の機会がある」(デビス)、「ASEANシフトと同時にQRが可能な中国生産も引き続き拡大させる」(バロックジャパンリミテッド)、「中国は何でもできる」(サンウェル)、「品質面、技術面において安定している」(丸ホームテキスタイル)など、QRや総合力を強調する意見が目立った。

 バングラデシュは言うまでもなく「さらなるコスト削減」が理由として上がった。

 インドと回答したのは東レ、東レインターナショナル、一村産業、川越政、コッカ、小森、帝人フロンティア、小泉アパレルなど。