LIVING-BIZ vol.102(15)/ニッケ商事/JIIPA/イワタ/東京化セン

2024年01月09日 (火曜日)

〈ニッケ商事/業務用毛布のリパック機増設/環境面から需要増加〉

 ニッケ商事は、使用した毛布を廃棄せずに回収・洗濯し、真空パックを行って再使用する“リパック”事業に力を入れている。兵庫県の協力工場に貸与するリパック機を10月に1台増設した。

 災害用毛布の国内市場は年間50万枚程度とされる。これまで使用後に廃棄されるケースが多かったが、環境面から廃棄せずにリパックして再利用する動きが、都心の自治体を中心に広がる傾向にある。さらに災害用毛布の真空パック保証は10年が一般的だが、2011年の東日本大震災後に導入が進んだ備蓄毛布が更新時期を迎えており、リパック需要を押し上げている。

 同社は、兵庫県の協力工場にリパック機2台を設置して月間約8千枚に対応してきたが、10月に1台増設して同1万枚に処理能力を高めた。リパックは自社製品に限定せず、他社製品にも対応する。同社の災害用毛布の売り上げの約1割がリパックだが、増設後の11月から「切れ目なく(生産キャパシティーが)埋まっている」(宮本健一ライフスタイル営業部長)とし、今回の増設と需要拡大でリパックの比率がさらに高まる見込みだ。業務用毛布を回収して反毛にし、ほかの寝装品に使用する取り組みも進めている。

〈ベッドメーカー4~9月期/医療、介護向けなど伸長/2社が増収増益〉

 ベッドメーカーの2023年4~9月期業績は、パラマウントベッドホールディングス(HD)、フランスベッドHDの2社が増収増益だった。小売り向けは勢いを欠いているものの、医療、介護、宿泊施設向けなどが伸びて業績を押し上げた。

 パラマウントベッドHDは、前年同期比6・1%の増収、4・2%の営業増益だった。医療現場で使用する製品・サービスを提供する医療事業は、国内のリカーリング(継続収益型)ビジネスが順調に拡大したほか、海外向けが前年同期を上回り10・2%増収。介護向けも3・6%増収とけん引した。

 フランスベッドHDは、0・4%の増収、4・7%の営業増益だった。医療・介護向けなどのメディカルサービス事業が増収増益、一般・ホテル向けのインテリア健康事業が0・8%の減収、4・8%の経常増益だった。インテリア健康事業はホテル向け販売が好調だったものの、一般向けが減収。ただ除菌機能搭載マットレスやベッド型マッサージ器、電動ベッドなど高機能・高価格帯商品の販売に力を入れたことで販売単価が上昇して増益を確保した。

 ドリームベッドは2・7%の減収、66・7%の営業減益だった。ホテルなどの商業施設向けや、ショップ・ショールームは増収だったが、家具販売店向けが減収だったことが響いた。

〈JIIPA/16日から「インドトレンドフェア」/衣料・HFの100社出展〉

 インドのアパレルとホームファッション(HF)の展示商談会「第13回インドトレンドフェア2024」(ITF)が、16~18日にベルサール渋谷ガーデン(東京都渋谷区)で開催される。日印国際産業振興協会(JIIPA)が、インド政府繊維省や在日インド大使館などの後援、協力を受け主催する。

 同国の有力な100社・団体が出展。日本市場向けの多種多様なウエア、HF製品を展示し、輸出促進を図る。JIIPAは「日本の貿易がインドブームを迎えている今、両国間の貿易は急速に拡大している」とし、ITFが対日輸出をさらに後押しするよう力を注ぐ。

 展示品は婦人・紳士・子供服をはじめ、ルームウエアやショール、ポーチ、バッグ、寝装品、カーテン、タオル、ラグなど多岐にわたる。伝統的な手織りや手染めの保全に努める企業、リサイクル素材など環境対応のモノ作りにこだわる企業、女性の教育・自立を支援する企業、フェアトレードを推進する企業などバラエティーに富む。

 インドは綿、ジュート、シルクの世界最大規模の生産国であり、機能性生地やビスコースに関しては世界第2位の生産国であるという。今展では、日本の最新トレンドに沿ってデザインされた衣料品やHFを幅広く紹介するとともに、世界的な製造拠点の強みを生かし、日本企業によるインドでのアパレル生産も促す。

〈イワタ/CO2排出量実質ゼロ/カーボンオフセットの羽毛ふとん〉

 寝具製造卸・小売りのイワタ(京都市)は、二酸化炭素(CO2)排出量実質ゼロの羽毛ふとんの販売を始めた。

 同社はこれまでもCO2を削減した羽毛ふとんを提案してきた。三井物産と博報堂が出資するEarth hacks(東京都渋谷区)が提供する「デカボスコア」(脱炭素化)の認定を受け、無染色・無漂白の生地と羽毛を使用し、再生エネルギー由来の電力使用や定期的なメンテナンスによる製品の長寿命化などで、従来商品に比べてCO2e(CO2相当量に換算した値)を42%(28㌔)削減した羽毛ふとんを打ち出していた。

 さらに今回は、環境事業に資金を拠出して対価にクレジットを受け取り自社の温暖化ガス排出量を相殺するカーボンオフセット・プログラムをプラスしてCO2排出量を実質ゼロにした羽毛ふとんを発売する。

 自社では削減が難しい製造と仕立て直し工程で排出する温室効果ガス排出量(シングル換算で37・2㌔CO2e、デカボスコアで従来商品と比べた排出量58%に相当)を埋め合わせできる。

 同プログラムは、一般社団法人more treesとの連携で、高知県中土佐町の森の保全活動に生かされ、森がCO2を吸収することで相殺される。

 シングル価格は7万7460円で、このうちカーボンオフセット・プログラムの費用が460円。

〈東京化セン/破産申請へ〉

 信用交換所によると、ふとんわたほか製造の東京化セン(実質本社¥文字('¥='+Vdir)栃木県足利市)は、傍系の東京リビングとともに、2023年12月4日付で事後処理を小川昌幸弁護士(群馬県太田市、せせらぎ法律事務所太田事務所、電話0276・47・7044)ほか1人委任し、自己破産申請の準備に入った。

 1984年6月太田市で設立。寝具用硬わたをはじめとする寝具素材を中心に、キルティング寝具や各種マットなどを扱い、寝具メーカーや傍系会社経由でホームセンターに営業基盤を築く。2001年5月期には年商17億5400万円を計上したが、在庫や工場取得などに係る借入金の返済が負担となって資金繰りに行き詰まり、02年10月前橋地裁に民事再生法を申請した。

 再生手続きは07年11月で終結して13年9月に再生債務を弁済、一時は5億円台まで落ち込んだ売り上げも16年5月期に7億円台まで回復し、19年11月には取引先の援助を受けて製造ラインを増設した。

 しかし、その直後の新型コロナウイルス禍によって業績悪化を余儀なくされ、業況回復が見られないまま事業継続を断念し、今回の事態となったもよう。

〈川原寝具店が解散〉

 信用交換所によると、寝具小売りの川原寝具店(実質本社=鹿児島市、川原耕造清算人)は、2023年12月4日に解散し、その旨を官報に公告した。