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大手アパレル12月 暖冬傾向も中軽衣料で健闘

2024年01月16日 (火曜日)

 大手アパレルの2023年12月度全店売上高は、売り上げを公表している4社で増収となった。暖冬傾向で防寒アウターが苦戦した一方、ニットウエアやブルゾン類が高稼働している。人流が回復し、外出着やビジネスウエアも堅調だった。

 オンワードホールディングスは5%増となった。暖冬向けの柔軟な商品MDが奏功。基幹ブランド「23区」をはじめ、機能性を軸にした「アンフィーロ」が好調、洋品やボトムス販売が大幅に増えた。自社の電子商取引(EC)「オンワード・クローゼット」も好調で、事業会社オンワード樫山のOMOサービス「クリック&トライ」の利用も引き続き拡大している。

 ワールドは1・6%増となった。全ての販売チャネルでプレセールから本セールまで好調に推移している。月中旬の気温上昇で防寒コートが鈍化したものの、ニットウエアや中軽衣料でリカバリーした。月後半にはウール素材コートや軽量なダウンジャケットが動き始めている。

 TSIホールディングスは0・7%増となった。撤退ブランドの影響でEC売り上げは8・5%減となった一方、実店舗は4・4%増と伸びた。既存店売上高は3・3%増となっている。

 三陽商会は増減がなく横ばいとなった。暖冬傾向でコート、ダウンの稼働が後ろ倒しになったほか、外部ECの停滞もあった。その一方、ジャケット、スーツなどのビジネスウエアが健闘。インバウンド売り上げも下支えした。ブランド別では「マッキントッシュ・フィロソフィー」が4%増となっている。

 バロックジャパンリミテッドは0・2%増とほぼ横ばいだった。月下旬に気温が低下し、実需のコート類が稼働。客数は3・9%増となった。EC売り上げは1・4%減で、客単価は3・6%減とやや苦戦している。