V&Aジャパン/生分解ポリ副資材を欧米へ/再生に代え堆肥化も
2024年01月18日 (木曜日)
高機能繊維の開発・販売を手掛けるV&Aジャパン(大阪市中央区)は、独自開発の生分解性ポリエステル繊維「クラフトエボ・リーテ」に続き、同原料樹脂による縫製糸、ボタンなどの副資材、ノベルティー用途を想定する食器・カトラリー類など樹脂成形品まで欧米ハイブランドに提案する。今月末に出展するイタリアの「ミラノ・ウニカ」展で、生分解装置も併せて提案。衣料を環境負荷少なく“土に返す”仕組みを訴求する。
背景に衣料やかばんなどの欧米名門ブランドで加速する伝統と環境保護を両立する取り組みがある。祖業に皮革製品を持つブランドも動物愛護や皮革製造工程での人体有害性などへの意識も急速に高め、一部素材の置き換え、製造・廃棄の各段階で環境負荷を抑えた仕組み作りを急ぐ事例が多い。
同社は欧米スポーツ・アウトドアのハイエンドブランドが主要販売先だが、海外出展や製品認証の際この種の依頼が相次ぐ。元来、高機能糸を自在に組み合わせた合繊地カスタマイズでアウトドア業界に定評のある同社が、同分野の欧米アパレルの高い環境意識に触発され開発したのがクラフトエボ・リーテだ。独自モノマー配合チップを紡糸し、特定条件の堆肥中で加水分解を経て微生物により生分解する、いわば“土に返せる”ポリエステル素材。分解促進剤添加の類似素材と異なり同素材はモノマー段階の改質で、ハイエンド品が求める高耐久性・透湿防水などの高機能と生分解性の両立が最大の特徴だ。
再生に代わる“堆肥化”の選択肢は独自のライフサイクルアセスメントからの結論。同社の宮本淳代表取締役会長は、「バイオ由来原料と生分解による堆肥化の組み合わせは、マテリアル、ケミカル、サーマルの各リサイクルより環境負荷ははるかに小さい。日本の動物性堆肥と異なる欧州で主流の植物性堆肥中での分解もベルギーの試験機関で試験中。既に約500日で65%分解までは検証した」と話す。
今後はクラフトエボ・リーテを切り口に、従来品のユーザーにも、入口の原料側ではバイオ由来原料、半バイオ原料、石油由来原料を、出口の使用後処理側では、生分解処理、リサイクルを含めた通常廃棄などを組み合わせ、各アパレル、ブランドの環境対応の現状に応じて取れる多様な選択肢を用意し、環境対応素材の提案を強化する。
生地採用は主要販売先の欧米アウトドアアパレルが先行し、ゴルフウエアなど他のスポーツ分野、さらに寝装メーカーでのふとん側地まで広がった。織物では現在、高密度織物以外にパンツ地など中肉品、綿混デニム用、編み地も競技用からゴルフウエア用、カジュアルユースまで広くジャージー素材を展開、他に中わた用短繊維もそろえる。うち織編み物の定番品約10品番は備蓄販売し、糸・わた販売も行っている。





