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スタイレム瀧定大阪 備蓄機能と縫製つなぐ

2024年01月19日 (金曜日)

 スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、自社の丸編み地備蓄販売機能と国内縫製工場(OEMメーカー)をつなげる。両者の連携深化によるワンストップサービスをアパレル企業に提供し、国内縫製キャパシティーの縮小に対応する。

このほど丸編み地を扱う課と縫製工場の合同展を開催し、取り組みを開始した。

 生地備蓄販売機能は同社の強みの一つ。ただ、縫製スタッフの不足や日本生産回帰などが重なったことで国内縫製工場のスペースがタイト化し、「生地があるのに縫えない」状況になり、商売にも影響した。こうした問題を解消するには生地と縫製の連携によるモノ作りが必要と判断した。

 丸編み地を扱う07課と27課が中心になり、丸編み地縫製との合同展を開いた。東京ピオ(東京都墨田区)、二宮(同港区)、ANUZIK(アヌジック、同墨田区)、エイコー商事(大阪市城東区)が参加した。4社とスタイレム瀧定大阪は以前から商売を行っているが、合同展は今回が初めて。

 東京ピオは、国内縫製にこだわりを持つブランドの厳しい要望に対応してきた。宮城県と青森県に自社縫製工場(2工場)を持つ。二宮は山形県で二つの自社縫製工場を運営し、本社の南青山にはショールームを持つ。企画提案から量産までの一貫したフォロー体制が強みだ。

 ANUZIKも企画提案力を強みとする企業。自社縫製拠点は持たないが、信頼関係を築いてきた協力工場との連携を強化している。エイコー商事は日本全国にある約50の専用協力工場を活用。縫製キャパシティーやQR対応、品質・価格帯に適した工場選定で存在感を示す。

 合同展ではそれぞれが顧客と商談を行った。東京ピオは青森県の工場に5台あるフラットシーマミシンによる技術を提案し、二宮は幅広いアイテムに対応できることを訴求。ANUZIKはシアーダンボールニットを使ったアイテムなどを並べ、エイコー商事は「丸編み地縫製ではどこにも負けない」と強調した。

 スタイレム瀧定大阪は「特色のある縫製工場と合同展を開けたのは良かった。各社が前向きに商談を行った」と話した。合同展は継続開催を計画しているが、「縫製工場の数は増やしたい。当社の生地の仕入れ先に出展してもらうことも考えている」とするなど、同社がハブになってつながりの輪を大きくする。