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辰野/IEC対応ウエア販売強化/高水準の静電気帯電防止

2024年01月30日 (火曜日)

 ユニフォーム製造卸の辰野(大阪市中央区)は、電気・電子技術分野の国際規格であるIEC(国際電気標準会議)に対応した静電気帯電防止ユニフォームの販売を強化している。国内に半導体工場を作る動きが活発化する中で、高水準のレベルで安全に除電できる性能の高さを訴求しながら需要拡大の機運を捉える。

 これまでユニフォームでは別注や消防服の販売が多かったが、最近では定番カタログ商品として静電気帯電防止ユニフォームの販売に力を入れている。従来、制電対応ユニフォームは防爆が目的だった。最近は家電や携帯電話、自動車など電子化・コンピュータの制御化が進み、人が体感できないような、より微弱な静電気放電で障害が起きやすい製品や部品が増加。そのため、IECに対応するユニフォームへの需要が増えつつある。

 素材にはクラレトレーディングの導電性繊維「クラカーボ」を採用。工業洗濯への耐久性、耐摩擦性に優れ、性能が温湿度の影響を受けにくい。導電層が表面を全面的に被膜することで、従来製品よりも高い耐久性を発揮する。

 電子デバイス製品に求められる国際規格IEC61340―4―9に対応。IECに対応したユニフォームは増えつつあるが、IECの中でも同規格に準拠したものは少なく、微弱なコロナ放電に対してより高水準のレベルで、安全かつ迅速に除電できる。

 生地にはストレッチ性があり、立体裁断縫製により腕を上げても裾が引き上がらず動きやすいデザイン。生地は再生PETを使い、通常のバージンPETの生地と比べ最大で46・6%のCO2削減につなげることができる。倉庫業や運送業などで採用が増えつつある。

 26日まで開いた大阪展示会に続き、2月7~9日に東京文具共和会館(台東区)、同月21、22日に八重洲博多ビル(福岡市)でも展示会を開く。