特集 ASM OSAKA(2)/縫製工場を支える多彩な機器も見どころ

2024年02月07日 (水曜日)

〈P―CAM Rを出展/延反機と連携で訴求/島精機製作所〉

 島精機製作所は自動裁断機「P―CAM R」や自動延反機「P―SPR2L」などを紹介する。

 P―CAM RはP―CAMシリーズのフラッグシップモデルで、機械剛性の向上や新たな制御技術を駆使することで裁断精度の向上を実現し、メンテナンスも容易にした。シート状の炭素繊維強化プラスチックやガラス繊維強化プラスチックのプリプレグなどの裁断に向く「P―CAM120C」も紹介する。

 P―SPR2Lは、反物状態の生地を自動で必要な長さにカットし、指定された枚数に重ねる自動延反機。丸刃自動研磨、耳そろえ機構、新開発のレイアップ機能などを備え、生地を最適な状態で延反することができる。

 会場では、P―CAM Rでカットソーや布帛の裁断を実演して高い裁断精度と生産効率を訴求するとともに、P―SPR2Lとの連携による効率的な生産を提案する。

 横編み機では「ホールガーメント」の最新機種「SWG―XR」などを紹介する。同機種は独自のスライドニードルを搭載した4枚ベッドやシンカーシステムの一新などで従来機に比べて25%以上の効率向上を実現している。コンパクトタイプの「SWG041N2」も紹介する。

〈3DCADの活用推進/ライン管理見える化も提案/東レACS〉

 東レACSの「クレアコンポⅡ」は、アパレルの設計工程で幅広く活用できるCADシステム。ユーザーの利用環境に合わせ、個人向けクラウドサービス、企業向けクラウドサービス、クライアントサーバーと運用のタイプを選べるようにした。

 クレアコンポⅡシリーズの3次元(3D)バーチャルフィッティングソフト「クレアコンポⅡ・パターンマジックⅡ3D」は、ラフパターンの段階で3Dによるデザインチェックを行えば、デザインの決定後でもパターンの作り込みやトワルチェックが可能になる。2024年は、ゴム・ギャザー・タックの見栄えを良くしたVer・8・3、UI(ユーザーインターフェース)を改善したVer・8・4のリリースを予定する。今展では、これら最新バージョンを紹介する。

 「サイフォーム」は、情報の管理・共有を行うアパレル向けデータ管理システム。充実した入力補助機能や作図機能で操作性を高めた。

 サイフォームからは、縫製工場のライン進捗(しんちょく)管理を担うオプションソフト「工場コックピット」を打ち出す。RFID(無線通信による商品の個別管理システム)を活用した原反の在庫管理システムについても、その仕組みから説明する。

〈ノイズ影響低減する検針機/作業効率高める機能も/サンコウ電子研究所〉

 サンコウ電子研究所(川崎市)は、電子応用特殊機器、工業計器の研究開発や製造販売を手掛ける。繊維品に混入した微小な折れ針や鉄片を探知する機器も豊富にそろえる。中でも、コンベア式検針機「APA―6900」シリーズは、同社が繊維業界に向けて継続的に提案している商材で、今展でも展示の中心に据える。

 同機は、電波や電磁波などのノイズの影響を受けにくいのが最大の特徴。工場で発生するノイズの影響を大幅にカットする検知部を搭載し、誤作動の防止を図ったため、ほぼ設置場所を選ばない。

 従来機と比べ、ベルトによる搬送速度がアップしたことで、作業の効率性が格段に向上した。大型液晶パネル画面では、カウンター機能によって管理する検査数、検出数、良品数を確認できる。

 制御部には、履歴機能で点検、カウンター機能による検針、設定変更といった各種の記録を最大10万点も保存できる。履歴データ処理ソフトを使えば、USBに保存したデータをパソコン画面に表示し、プリンターで出力することも可能だ。

 今年は今展に加え、「JIAM 2024 OSAKA―国際アパレル&ノンアパレル生産技術見本市」も控えており、同機の発信に一層力を注ぐ。

〈裁断関連の別注機に強み/自動化と省スペース実現/サプリナ〉

 裁断関連機器メーカーのサプリナ(大阪府忠岡町)は、巻かれた生地の解反、一定幅での裁断、生地のスリット、延反、積層、巻き取りに関連する幅広い自動機や省力化機器を製造する。顧客のニーズを原点に同社ならではの発想で開発する独自性の高い機器が見どころ。

 顧客ごとの仕様で設計するオーダーメードが強みだ。取り扱う機器は手持ちタイプの小型裁断機から裁断・延反機、裁断延反ラインの構築、裁断工程の前後に必要な作業の自動化装置まで数百種類に上る。オリジナル機はユーチューブでも配信している。

 自動定寸裁断機「スタックカッター」は定寸裁断と生地の積層を自動で行える装置。作業の効率化に加え、独自の機構により垂直方向に生地を重ねていくため、延反台が不要で工場の省スペースに貢献する。

 展示会ではカーペットも裁断可能なコードレスの電動バサミ、軽量小型カッター、さらに生地の巻き替えをするイージーワインダーも展示する。同社のワインダーは小型ローラーの採用で装置全体の小型化を実現、独自の生地押え機構でたるみなく巻き替えることができる。原反の切り売りや巻き替え作業での使用を想定する。