クラボウ 独自技術で“買う理由”に

2024年02月15日 (木曜日)

 クラボウの繊維事業は、原綿改質の機能綿糸「ネイテック」をはじめ、独自技術による差別化素材の販売比率を高めている。

具体的な数値は非公表だが、2018年から目標を設定し、現在の中期経営計画で目標とする数値を「射程に捉えている」と、繊維事業部長の北畠篤取締役兼専務執行役員は話す。開発力を高め、設備投資も加速しながら「クラボウで“買う理由”を創る」。

 今期は上半期(2023年4~9月)までは計画通り推移していたものの、第3四半期(23年10~12月)に入ってから、暖冬の影響で来秋冬の発注が遅れ気味となり、「計画に対しても厳しい状況」(北畠取締役)となっている。ただ、年明けから生産が戻り、タイ・クラボウやインドネシアのクラボウ・マヌンガル・テキスタイル(クマテックス)といった紡織子会社ではフル稼働になりつつあると言う。

 さらにサステイナブルというキーワードのほか、他社にない独自素材という点からネイテックや、裁断片などを独自の開繊・反毛技術で再資源化する「ループラス」、羽毛代替となる中わた材「エアーフレイク」の販売が広がる。

 原糸販売ではネイテックがインナーだけでなく、寝装品や靴下、アウターにも用途開拓が進み、前年より1・5倍増加。クマテックスではネイテックの増産のために、毛羽の少ない奇麗な糸を生産できるコンパクト糸の紡績機を増設した。

 さまざまな企業や自治体との連携でビジネスが広がるループラスでは、「ニーズが非常に多い」としながらも「採算に乗せるためにはもう少し生産ロットを拡大していかなければならない」と課題を指摘。ベトナムなど東南アジアには縫製工場が多く、生地の端材などをタイに集約させやすいことを理由に、タイ・クラボウでは反毛機を導入し、今月から稼働させる。

 カジュアル向けにテキスタイル販売が好調なことを受け、染色加工の徳島工場(徳島県阿南市)では中古加工設備を導入し、合繊リッチな染色加工ができるラインを倍増した。

 独自技術の比率は、18年に安城工場(愛知県安城市)にテキスタイルイノベーションセンター(TIC)を立ち上げてから目標を掲げており、現中計で目標とする数値には「近付いている」。北畠取締役は、その部分が実現できてくれば、中計の最終年度に目標とする収益の数値についても「達成が見えてくる」と話す。