繊維ニュース

JY開幕/機能性や環境配慮軸に/新素材含め多彩な糸ずらり

2024年02月16日 (金曜日)

 日本最大級の糸の展示会「第21回ジャパン・ヤーン・フェア(JY)&『THE BISHU』」が15日、愛知県一宮市総合体育館で開幕した。機能性や環境配慮にこだわった新素材を含めて多彩な糸が並んだ。一宮地場産業ファッションデザインセンター(FDC)主催。16日まで。

 機能性で新素材を打ち出す企業が目立った。モリリンは再生ポリエステルと「テンセル」モダールの混紡糸「ソマルティ」を提案。接触冷汗や紫外線カットのほか、透けにくい特徴を持つ。豊島は従来のポリエステルの約2倍の強度を持つ高強力糸「グランボンド」をアピールした。

 サステイナビリティーの流れが加速していることから、今回も環境配慮を意識した商材がそろった。長谷虎紡績はスパイバーとの協業による、人工タンパク質繊維「ブリュード・プロテイン」をPR。長谷享治社長は「ようやく量産体制に入った」と述べ今後販売を本格化させる。

 開幕前の式典では、FDC理事長で、一宮市長の中野正康氏があいさつ。能登半島地震があった石川県から4社が出展していることから、「一宮の繊維企業との絆を深めることで復興を進め、共に明るい経済へ向かっていければ」と語った。

 式典では「ジャパン・テキスタイル・コンテスト2023」(JTC)の表彰式もあった。今回グランプリに選ばれた中西義隆氏(石慶毛織)は「初めての応募で受賞することができ驚いた。作品は落ちわたのタッサーシルクを活用し、生地に針布起毛を施した。イメージどおりの毛羽の表現ができた」と話した。

 併催するザ尾州では、JTCの優秀作品展のほか、学生が制作した衣料品なども展示されている。