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三菱ケミカルグループ/高耐熱のCMC材料開発/宇宙産業用途で採用視野に

2024年02月16日 (金曜日)

 三菱ケミカルグループは、ピッチ系炭素繊維を用いた高耐熱のセラミックマトリックスコンポジット(CMC)を開発した。耐熱温度1500℃という特徴を生かし、宇宙産業用途での採用を目指す。20日から東京で開催される「2024国際宇宙産業展」、3月のフランス・複合材料展に出展する。

 CMCは、セラミック基材をセラミック繊維で強化した複合材が一般的。今回の開発品は、セラミック繊維ではなく、ピッチ系炭素繊維を用い、かつ表面に酸素透過バリア層を設けて高耐熱性を実現した。空気中1500℃で1時間保持しても強度が低下しないと言う。

 これは宇宙航空研究開発機構(JAXA)の革新的将来宇宙輸送システム研究開発プログラムの参考値である1600℃で800秒間という条件にも耐え得る。30年代前半に実現を目指している宇宙輸送システムの往還機熱シールドや宇宙利用・回収プラットフォーム部材への採用を視野に性能向上に取り組む。

 東京ビッグサイトで開催される2024国際宇宙産業展、フランスの「ジェック ワールド2024」では高耐熱性炭素繊維複合材料、2200℃耐熱ピッチ系炭素繊維強化炭素複合材料などを展示する。