繊維ニュース

PVパリ25春夏の日本出展者/先端技術とサステイナブル

2024年02月21日 (水曜日)

 【パリ=クリエイティブディレクター・池西美知子】「プルミエール・ヴィジョン(PV)・パリ25春夏」展(6~8日開催)のスマートクリエイション・エリアに、バイオワークス(京都府精華町)のポリ乳酸繊維(PLA)の新ブランド「Plax」(プラックス)が2度目の出展をした。海外での実ビジネスはまだこれからとのことだが、前回の出展から多くの引き合いが来ているそうだ。

 サトウキビを原料とする100%植物由来の生分解性繊維で、非石油繊維なのにポリエステルの代替素材になるということが注目を集めたようだ。他の繊維との複合素材の場合も分離できてどちらの繊維もリサイクルできる。ファッション的な面では、当初は淡色しかできなかったのが、今は黒や濃色も染められるように進歩した。

 サステイナブルが広く深く浸透し、毛皮やレザーへの風当たりがますます強くなり、フェイク・ファーやフェイク・レザーへのニーズが高まっている。ラグジュアリー・ブランドからは高級感やファッション性のあるものが求められ、偽の毛皮や皮革というアイデンティティーを脱皮する傾向にある。

 その先駆者である東レの「ウルトラスエード」もますます好調のようで、従来以上にソフトな風合いやおしゃれな個性が求められるようになっているという。今回は強力な形状記憶性を持つ新商品が人気を呼んだ。またリサイクルによる凝った装飾的なタイプも注目された。

 地球も人も幸福にするサステイナビリティーの実現・推進には科学やハイテクの進歩と、人との共鳴・共振が不可欠である。