繊維ニュース

ユニフォーム 男女ペア企画を強化

2024年02月27日 (火曜日)

 2025年の大阪・関西万博を前に、大阪ではホテルの開業ラッシュが続く。ジェンダー平等の観点から制服の在り方を見直す企業も増えていることを受け、ユニフォームメーカーでは男女ペアのユニフォーム企画を充実させつつある。

 シンクタンクのアジア太平洋研究所(大阪市北区)によると、万博の経済効果を2兆7457億円と試算。インバウンドが活発になれば、経済効果は最大で6千億円程度上振れると予想する。ホテル特化型メディア「ホテルバンク」によれば、大阪市で20施設・7571室が25年4月までの新規開業を予定しているとされる。

 ジェンダー平等の観点から女性だけでなく男性にも制服を支給する動きも見られ、ペア企画を求めるニーズが増えてきた。

 チクマ(大阪市中央区)のアルファピア事業部では前期(23年11月期)、インバウンド需要の回復などを受け、接客向けを中心とした男女ペア企画の「ザ・フェローズ」の売り上げを前の期比で10%伸ばした。新たにカタログを作成し、シキボウの抗ウイルス加工「フルテクト」を施したポリエステル100%のストレッチミニヘリボーン生地使いのウエアを投入。独自に開発した特殊パターンのアームホールで、腕の上げ下げがしやすく、窮屈感がない。

 アイトス(大阪市中央区)は、24春夏新商品展示会でホテル業、冠婚葬祭業、カーディラーそれぞれで人気のペア企画のスタイルを披露。事務服と相性が良さそうなMA―1風のデザインでスタイリッシュな男女兼用ブルゾンなども打ち出した。

 レディース向け人気商品をメンズ向けの企画に落とし込む動きも活発になる。ボンマックス(東京都中央区)は、オフィスウエア「ボンオフィス」のカタログ定番商品で、売れ筋4品番と同じ生地を使ったメンズスーツをラインアップ。受注生産に対応し60日で供給する。24春夏展ではポリエステル100%のシャドーストライプニットが「織物にしか見えない」と好評だった。ストレッチ性が高く、着心地の良さにこだわった。再生ポリエステル「レニュー」を20%使い、環境配慮の面からも訴求できる。

 レディースを中心に英国・ロンドンのフラワーデザインブランド「ジェーン・パッカー」で市場開拓を加速するセロリー(岡山市)では、綿に近い見た目と風合い、凹凸のある表面と滑らかな触感のリサイクルポリエステル使いの素材を使ったシャツなどの商品を充実。同じ生地を使ったメンズ向けのウエアも欲しいという要望にも別注で対応する。