スタイレム瀧定大阪 ベトナムで生地備蓄開始
2024年02月28日 (水曜日)
スタイレム瀧定大阪(大阪市浪速区)は、ベトナムで生地の備蓄販売(ストックサービス)を始める。
子会社の香港法人、スタイレムインターナショナルホンコンの藤本和矢社長によれば、日本からベトナムに生地を送るよりも10日から2週間納期が短縮できるようになる。これまでベトナムの縫製工場に生地を送る際は、日本や中国の保税倉庫から発送していた。日本本社がホーチミンに保税倉庫を借り、まずは日本企画の生地約30品番を備蓄する。
世界の縫製地であるベトナムでは、生地や副資材を国内で手配して納期短縮、コスト削減、二酸化炭素排出量削減につなげようとする流れが強まっている。この流れに対応した。SDGs(持続可能な開発目標)の浸透も背景に加速する小口発注への対応も兼ねる。
備蓄販売を開始する狙いは、ベトナム現地ブランドへの生地販売拡大と、欧米ブランド向けを手掛ける外資含めたOEM企業向け拡大の二つ。その一環として、28日~3月1日にホーチミンで初めて開催される繊維関連商品の総合展「ベトナム国際アパレルファブリックス&繊維関連技術専門見本市」(VIATT)にも出展する。
同展には日本本社と香港法人の共同出展の形をとり、約200点の生地を訴求、従来からの日本やアジア各国での備蓄機能に加え、ベトナムでの備蓄機能もアピールする。香港、韓国、インドネシア、インドに法人を構え、タイ、ベトナムに事務所を設けているグローバル機能も訴求する。
ベトナム国内での生地生産にも着手しており、今後も拡大させていく。
スタイレム瀧定大阪はグループを挙げて欧州、米国、中国に続く生地輸出先の開拓を急いでおり、ベトナムをその有力候補と捉えている。香港法人を通じたベトナム市場向けは既にスタートしているが商量はまだ少ない。現地での備蓄サービスの開始やVIATT展などを通じた提案強化で拡大を図っていく。