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超高強度炭素繊維で高分子学会賞/東レ

2024年02月28日 (水曜日)

 東レの「ナノ構造制御による超高強度炭素繊維」が、高分子学会が授与する「2023年度高分子学会賞(技術部門)」を受賞した。独自技術の深化によって従来品の性能を上回る超高強度炭素繊維「トレカT1200」の創出に成功し、市場の拡大やサステイナブル社会の実現への貢献が期待できると評価された。

 受賞者は、複合材料研究所主任研究員の渡邉潤氏、同研究所主席研究員兼トレカ技術部主席部員の田中文彦氏、トレカ技術部部員の中谷達也氏。ナノスケールでの構造制御技術を深化し、破壊が起こりにくい内部構造を設計・実現した。

 高分子学会賞は、高分子科学と技術に関する独創的かつ優れた業績を挙げた会員を対象に、その功労を顕彰することを目的に制定。東レは、新規複合化技術による高性能FRPの開発と工業化(05年度)、水の運動性に着目した抗血栓性ポリマーの設計と人工腎臓の工業化(22年度)などで受賞している。