オーミケンシの中国法人/レーヨン内販引き合い増える/今年は成果の刈り取りへ

2024年02月28日 (水曜日)

 【上海支局】オーミケンシの中国法人、近絹〈上海〉商貿は、機能レーヨンの中国内販事業で今年、過去3年間の種まきの成果を刈り取る。足元では、アパレル向けの引き合いが強まっている。2021年から販売に取り組むダイワボウレーヨンの素材への問い合わせも増えている。

 新型コロナウイルス禍が始まった20年以降、厳しい行動規制をかわしながら、岩切直彦総経理を筆頭に国内出張を続けてきた。その成果でアパレル、不織布向けともに新規客先のネットワークが広がり、昨年から「顧客が顧客を紹介してくれる」(岩切総経理)好循環が生まれている。

 アパレル市況は低迷しているが、「成約率は低いものの、商談が増えている。環境が芳しくない中、顧客は『何かしなければ』と考えているようだ」と岩切総経理は話す。

 アパレル向けはインナー、タオル、レッグウエア用途が多く、特に保湿系のわたと紡績糸への引き合いが多い。中でも、ツバキやアボカドなどの植物オイルを練り込んだ「ボタニフル」シリーズが人気だ。

 不織布向けは、スパンレース不織布使いのフェースマスク用途が主力。フェースマスクの市況はアパレル市場以上に厳しいが、「機能訴求の素材への問い合わせがある」(岩切総経理)と言う。薄地素材へのニーズが堅調であることを背景に、ダイワボウレーヨンの0・7¥文字(U+3325)¥文字(G3-1005)の素材への関心も高まっている。

 オーミケンシは20年9月、レーヨン短繊維やレーヨン紡績糸の自社生産から撤退し、ダイワボウレーヨンで機能レーヨンの委託生産を始めた。近絹〈上海〉商貿はこの翌年から、ダイワボウレーヨンの素材の販売に乗り出した。