繊維ニュース

クラレトレーディング 次の商材・用途開発へ

2024年03月01日 (金曜日)

 クラレトレーディングのクラベラ事業部は今期(2024年12月期)の重点施策として現在の重点分野に続く次の商材・用途の開発に力を入れる。独自性のある素材の活用などで同社の強みが評価される新規用途の開拓などに取り組む。

 同事業部は23年度から衣料用途と資材用途を統合し、不採算分野は縮小しながら機能素材やモノ作りのサプライチェーンなど同社の強みが評価される事業領域への特化を進めた。

 衣料分野はスポーツ・アウトドア、スクール、ヘルスケア用途向けの縫製品事業が堅調。糸・生地販売も帯静電気防止繊維「クラカーボ」や濃色染め対応糸など、独自性のある機能素材を使った商材への特化を進めたことで安定的に推移した。資材分野もマイクロファイバーを使ったワイピング材や水溶性繊維「ミントバール」など機能素材を活用し、メディカル用途などで堅調な販売が続く。

 上野裕樹同事業部長は「事業のポートフォリオ転換が順調に進んでいる」と話す。その上で24年度は現在の重点商材・用途に続く次の商材や用途の開発に取り組む。そのために今期からマーケティングチームを新設した。

 同社は現在、衝撃吸収性繊維「スパンドール」や防滑繊維「フィブレスタ」、優れた速乾性とドライ感が特徴のシンジオタクチックポリスチレン(SPS)繊維「エプシロン」などユニークな開発品を持つ。

 マーケティングチームはこれら素材を活用し、例えばコンセプトシューズを制作して最終製品メーカーに提案するといった取り組みで用途開発を進めている。こうした取り組みで成果を上げることを目指す。