繊維ニュース

この人に聞く/北京和霽商務策劃 董事総経理翟鑫 氏/日本のニーズに応える

2024年03月01日 (金曜日)

 2月28、29日に東京都内で開催された商談会「ザ・メーカーズ・アパレルショー」。中国のOEM・ODM関連企業102社が集い、各社が日本市場のニーズに目を向けた提案を行った。ザ・メーカーズ・アパレルショー事務局のメンバーの一社で、リーダー的役割を果たす北京和霽商務策劃の翟鑫董事総経理に話を聞いた。

  ――ザ・メーカーズ・アパレルショーは今回が初の開催でした。意義や狙いは。

 中国から日本へのアパレル製品の輸出は、100億ドルを超えていると試算されています。為替動向などから全体としては厳しさもありますが、中国のOEM・ODM企業にとって日本は魅力のある大きな市場です。日本企業との新しい取り組みやビジネスの深化を目指す中国企業が一堂に会しました。

 日本側も常に新しいサプライヤーを探していると思います。要求事項も年々高度化していますが、中国企業は技術力や品質の向上などに積極的に取り組んでいます。実際、出展企業は買い付け担当者らのニーズに対応しようとする意識を強めています。両者の思惑はうまく一致したのではないでしょうか。

  ――出展者はどの辺りを意識しましたか。

 例えば、今回の展示会に出るために40の製品サンプルを新しく作った企業があります。既存商品の展示ではなく、新しい商品で買い付け担当者らの目を引きました。そのほか、多くの企業が環境に配慮した素材を用意し、独自技術による機能素材の開発・提案も行いました。

  ――技術と品質に加えて、小ロット・短納期対応も求められます。

 小ロット・短納期に対するニーズがこれまで以上に大きくなっていることは各社がはっきりと認識しています。もちろん、工場の生産規模・能力によっても異なりますが、納期に関しては多くが1カ月程度に応じ、中には1週間という企業もあります。ロットも千枚程度から対応しています。

  ――中国のOEM・ODM企業にとって意義深い商談会になりましたか。

 モノ作りに集中しすぎて自分たちの強みを明確に把握していない中国の企業もあります。商談会という交流の場を通じて、「自分たちが知らなかった強みを発掘してもらった」といった声も聞こえてきました。中国企業は変化に目を向け、自分たちも変化しています。もっと良い関係が築けると信じています。

 第2回のザ・メーカーズ・アパレルショーは、9月4、5の両日に今回と同じサンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で開催を予定しています。継続開催することで認知を高め、さらに充実した商談会にしたいと考えています。