繊維ニュース

辰野/別注ユニフォーム好調/今期増収増益へ

2024年03月01日 (金曜日)

 ユニフォーム製造卸、辰野(大阪市中央区)の2024年3月期単体決算は、売上高109億円、営業利益30億円で増収増益の見通し。このうち繊維事業部は別注ユニフォームが好調に推移していることから売上高50億円、営業利益7億9千万円を見込む。25年3月期は今期比約10%の増収増益を目指す。

 別注ユニフォームは、建設業向けのワークウエアを中心に引き合いが増えている。来期に向けては、引き続き別注の拡販に取り組むとともに、新たな挑戦分野として位置付ける消防隊員の活動服ブランド「ニノスファイター」と、静電気帯電防止ユニフォームブランド「ESDガーディアン」の販売に注力する。

 ニノスファイターは、消防隊員用ステーションユニフォーム「ISO21942:2019」レベル2の性能要求を基準に、快適性を加えた製品をラインアップ。帝国繊維と共同開発した独自生地を採用しており、耐熱性、耐久性を維持しながらストレッチ性と吸汗速乾性を付与した。同分野では後発であるため機能面からの訴求を強める。

 電子デバイス製品に求められる国際規格「IEC61340 4―9」に対応するESDガーディアンは、クラレトレーディングの導電性繊維「クラカーボ」を採用した。工業洗濯耐久性、耐摩擦性に優れ、性能が温湿度の影響を受けにくい。生地にストレッチ性があり、立体裁断縫製で腕を上げても裾が引き上がらず動きやすいデザイン。再生PET使用により通常のバージンPETの生地と比べ最大で46・6%のCO2を削減できる。夏向け薄手と通年向け厚手それぞれに長袖ブルゾンとパンツをそろえる。