こだわりの糸 集結 ジャパン・ヤーン・フェア ( 6)

2024年03月08日 (金曜日)

最新鋭機や最新技術も

 昨今は各種繊維展示会に、繊維機器・システム関連企業も多く出展する。「ジャパン・ヤーン・フェア」(2月15、16日)では5社が出展した。

 渦流精紡機「ボルテックス」などを製造する村田機械は、自動ワインダー「プロセス・コーナー・AICONE」を訴求した。昨年イタリア・ミラノで開催された繊維機械の国際見本市「ITMA2023」で発表した最新鋭機。使いやすさやメンテナンス性の良さが特徴だが「むしろソフト巻きなどドラムトラバース、アームトラバース機能に関心を示した」と言う。

 一方、ボルテックスは原着ポリエステル長繊維を使用しカバーする「コアカラー」に注目が集まった。完全にカバーしないため杢(もく)糸のような表現ができる。生産スピード変更で杢調も変化できるので、杢糸を取り扱う企業から好評だった。

 TMT神津(大阪市中央区)は高速リワインダー「ワインディング―マスター」の実機を展示した。北陸産地企業を中心に販売を伸ばす。「来場者の反応はまずまず。今回展は8¥文字(U+3305)のコーン巻きを展示したが、尾州産地は6¥文字(U+3305)まで。ニーズの違いを把握できた」そうだ。

 サステナテック(福井市)は超臨界染色加工試験機を提案した。世界初の3ポット同時染色加工ができるタイプを紹介した。福井大学発ベンチャー企業だけに、北陸産地は熟知するが「尾州産地は当社を知らない企業も多い」ことから、認知度向上のため前回展から出展する。

 システム関連企業は3社。初出展のコスモサミット(金沢市)は本拠を置く北陸産地では知られるが「尾州産地での知名度向上を目的」に出展した。合繊の北陸と管理手法は異なるが、「ノウハウや事例は活用できる」として、織布工場向け配台スケジューラシステムや販売在庫管理システムを提案した。

 トヨシマビジネスシステム(名古屋市中区)はデザインや商品画像の情報の共有・管理システム「イメージドロアー」を披露した。アパレルへの導入を進めるが、出展を通じて糸商や生地商にも訴求。利便性や機能を知ってもらうため、実演を交えて紹介した。

 ユカアンドアルファ(東京都渋谷区)は簡単な操作で生地の柄や質感を3Dで再現できるソフトウエア「バースセット」を提案した。生地商や機業場・ニッターへの認知度向上を狙いに出展。「周知や興味を持ってもらえる機会になった」と話す。(おわり)