繊維ニュース

豊島 高強力繊維使い生地訴求

2024年03月11日 (月曜日)

 豊島は国内外のスポーツ、アウトドア用途のアパレル向けに、高強力ポリエチレン繊維「ダイニーマ」の特性を生かした生地の訴求を強める。

透湿防水性を付与するなど複数の機能を併せ持つ生地を開発した。合繊だけでなく天然繊維と複合した生地などもそろえ、独自の差別化を図る。

 ダイニーマは鉄の15倍の強度を持つといわれる高強力繊維。強度だけでなく水に浮くほどの軽さや耐切創性、耐摩擦性を併せ持つ。豊島は米・アビエント社が取り扱うダイニーマを使用。バイオベース(マスバランス)原料で、環境配慮型素材としても打ち出しを強めたいとする。

 ダイニーマ使いの生地は主に3種類。ダイニーマと再生ナイロン糸を使用し、リップストップに製織した生地は引き裂きにも強い。リップストップに透湿防水性を付与する膜を貼った生地や、コーティングを施した生地もそろえた。

 ダイニーマと天然繊維を組み合わせた生地もラインアップした。ダイニーマをステープルカットし、綿と混紡した糸を天竺編みにした生地も打ち出す。耐摩擦性に優れており、マーチンデール摩擦試験機で5万回の摩擦試験をクリアしたと言う。

 緯糸にダイニーマを使って製織したデニムも注目度が高い。耐久性や生地強度が高いだけでなく、しなやかなストレッチ性も兼ね備える。ダイニーマを芯糸に、綿糸でカバーリングした糸を使用した生地もそろう。

 ダイニーマ使いの生地は国内外のスポーツ・アウトドア向けアパレルブランドで採用実績を持つ。今後も引き続き海外の展示会でも披露し、認知度を高めていく。20日からドイツ・ミュンヘンで開催の「パフォーマンスデイズ」、4月に米・ポートランドで開く「ファンクショナルファブリックフェア」にも出展する。

 生地の開発を進めた十部の岡部良輔部長は「当社らしく、天然繊維の良さも引き出した生地を訴求し、新たな販売先の獲得に努めたい」と話す。