帝人フロンティア〈ベトナム〉 衣料品の内販スタート

2024年03月13日 (水曜日)

 帝人フロンティアのベトナム法人、帝人フロンティア〈ベトナム〉は今期(2025年3月期)の重点方針に、衣料品の欧米向け拡大、衣料品の内販拡大、人工皮革拡販の三つを掲げる。

 別所誉功社長によると、24年3月期はこれまでと取引形態を変えたことで単純比較はできないものの、前期比増収減益の見込み。主力の対日衣料品OEM/ODMは新規取引先が増え、数量も伸びるなど好調だったが、衣料品の欧米向けは横ばいだった。新規事業として取り組む人工皮革販売は、大手スポーツブランドのシューズ用途が減産になるなどで苦戦した。

 一方、長年の課題であった衣料品の内販がスタートした。日本本社が持つ衣料品のサンプル生産機能やMD機能を活用したOEM/ODMビジネス。購買力が高まるベトナム市場だけに今後の拡大に期待を寄せる。事業規模が拡大すれば、サンプル生産機能とMD機能の一部をベトナム法人に移管することも検討していく。「法人独自の事業としてどこまでいけるかチャレンジしたい」(別所社長)と意気込む。

 欧米向け拡大もテーマの一つ。こちらは日本本社、香港法人と連携しながら今後、ベトナム縫製・欧米ブランド向けの開拓を進める。

 人工皮革は今期苦戦を強いられたが、中長期では伸びるとみる。動物愛護の観点で欧米を中心に天然皮革からの置き換えが進むことが確実視されるためだ。シューズ以外の用途開発も同時に進める。