中国から届く新たな風  ザ・メーカーズ・アパレルショー (3)

2024年03月13日 (水曜日)

生産背景を最大限生かして

 2010年設立の威海佰澤卓成進出口は、婦人ニット製品のOEMを主力とする企業。山東省海陽市に自社工場を持ち、月間の生産能力は、協力工場を合わせて数十万枚を誇る。売上高全体の50~60%が日本市場向けで、韓国・欧米市場向けでも実績を持つ。

 海陽市の自社工場は3から5、7、12¥文字(G3-1007)まで豊富な種類の編み機を設置しているほか、リンキングミシン、ミシン、ボタン付け機、検針機などを保有する。横編みをメインに、ニットと織物を組み合わせた製品、欧米向けでは丸編み製品も提案している。サンプル室を持っているため、顧客の要望に素早く応じられる。

 「品質には自信がある」と強調し、再生ポリエステルの活用も進めるなど、サステイナビリティー対応にも積極的に応じる。ファッションブランドとのビジネスの経験を生かし、80~100枚という小ロットのオーダーにも対応。納期は通常1カ月だが、最短2週間が可能と言う。

 広東省の東莞市金豆服飾は、婦人ファッション衣料の生産を得意とする。会社設立は14年ながら、工場の立ち上げは03年で、日本市場向けは約20年の実績を誇る。自社工場(東莞市)を生かし安定した品質と納期管理、生地・副資材の調達力などで存在感を示している。

 現在は、日本市場向けが100%を占める。工場を立ち上げて以来着実に数字を拡大してきたが、新型コロナウイルス禍の影響でいったんは縮小。「現在は回復基調にあり、50~100枚という細かいオーダーにも対応して拡大を図る」と話した。納期は「サンプルは1週間、量産は25日から」としている。

 生地や副資材の調達力には自信を見せ、最近はリサイクル糸などの活用を増やしている。顧客の要望があれば、「生地はもちろん、ファスナーやホック、ボタンなども環境対応品をそろえる」。

 江蘇省の南通東洋服飾は、1994年に立ち上がった企業で、今年30周年を迎えた。現在では従業員250人を数えるまでになり、生産能力は年間100万枚に達すると話す。ブラウスやワンピースなど、織物の中高級婦人服の生産加工と貿易を行い、全体の約90%が日本市場向けとしている。

 トレンドを反映したファッションアイテムからカジュアルまで幅広く生産している。南通の自社工場での生産による高い品質と納期管理に強みを持つ。自社工場にはミシン120台、裁断機4台

検反機1台、検針機1台を設置している。