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「インテキ上海」の日系商社・メーカー/ネット通販ブランドで盛況/短納期対応を訴求

2024年03月13日 (水曜日)

 【上海支局】6~8日に開催された「インターテキスタイル(インテキ)上海アパレルファブリックス2024春夏」の「ジャパン・パビリオン」に出展した日系商社とメーカー各社は、備蓄品などによる短納期対応を訴求した。各ブースはネット通販ブランドの関係者らでにぎわった。

 豊島は、ネット通販ブランドの来場者を意識し、代理販売するイチメンなどの日本の商社の備蓄品を前面に打ち出した。「ネット通販ブランドの来場者が昨年に比べ、目に見えて増えた」と同社スタッフは話した。今年は備蓄品とともに、主力の合繊使いの織物などの日本製バイオーダー品の売り込みに改めて力を入れている。

 モリリンも、ネット通販ブランドとの商談で成果を上げた。今回展の目玉は、生機を備蓄したシルク使いの織物。プリント地や、ピマ綿との混紡糸使いの滑らかな表面の生地が引き合いを受けていた。

 ニッケは、欧州メゾン向け販売で豊富な実績を持つ、ウール100%の織物ギャバジンと、山東省青島の自社工場(青島日毛織物)のファッション向け織物を出展した。21年秋の同展への出展を機にファッション向け内販を本格化し、順調に客先を増やしている。今後は青島日毛織物での開発を加速させ、売り上げのさらなる拡大を図っていく。

 クラボウは、徳島工場で生産した綿100%と合繊混の織物、裁断くずを再利用した「ループラス」で生産するデニムを紹介した。コンバーターなどの販売協力先の候補が来場するなど、出展に手応えを得た。

 丸佐は、ポリエステル・レーヨン使いの短繊維織物を中心にアピールした。綿タッチの機能性織物や、岐阜県美濃市で作られた和紙を使った丸編み地が、ネット通販ブランドの来場者から引き合いを受けた。

 前多は、独自開発したポリエステル100%混繊糸使いの「プレミアム6」を前面に打ち出した。ドレープ性と発色性に優れている点や、コストパフォーマンスの高さが評価されていた。

 テープとリボンを手掛けるSHINDOは、日本製ブランド「S.I.C」と、広東省汕頭工場で生産する中国製の双方を訴求した。近年は備蓄品による短納期サービスが評価され、ネット通販ブランドの顧客向け売り上げを伸ばしている。