繊維ニュース

繊維リサイクル技研/繊維廃材で楽器制作/ハンマーフェルトで講演も

2024年03月19日 (火曜日)

 日本繊維機械学会の繊維リサイクル技術研究会はこのほど定例の情報交換会を開催し、繊維廃材の新たな出口として調査・研究を進めている楽器制作について報告した。ニッケグループのエフアンドアイノンウーブンズ(FANS、大阪市中央区)が特別講演したほか、アイデアコンペ応募作品を紹介した。

 特別講演ではFANSの橋本健司開発技術本部技術部長が「ハンマーフェルトを始めとする繊維の楽器への応用」を報告した。ピアノのハンマーフェルト(弦をたたく部材)の製造工程を豊富な動画資料も交えながら解説した。

 アイデアコンペ応募作品の紹介では、繊維廃材によるハープのストラップ、靴下製造の際に発生するリング状の端材を三味線の指すりに再利用するアイデアなどが提案された。また、研究会メンバーからは繊維廃材を繊維強化材に使用した樹脂シートによる打楽器や、同じく繊維廃材を原料とする繊維強化プラスチックによるササラ、ターポリンの端材を再利用したギターストラップ、炭素繊維製ゴルフシャフトを再利用した譜面台兼打楽器などを披露した。

〈研究会の楽団が演奏〉

 情報交換会では、演奏実演による検証のために研究会メンバーで結成した楽団「ファイバー・アップサイクル・バンド」(FUB)によるライブ演奏も行った。昨年の情報交換会に続いて今回も会場を盛り上げた。

 ライブには森下あおい(滋賀県立大、ピアノ)、豊田宏(太陽工業、ベースギター)、田邉謙太朗(新内外綿、エレキギター)、永野敬三(イズミ、アコースティックギター)、水森吉紀(トーア紡コーポレーション、ドラム)、木村照夫(京都工芸繊維大、バイオリン)、井上真理(神戸大、ボーカル)、坂井卓哉氏(カトーテック、ボーカル)、田村有香(京都精華大、パーカッション、ダンス)、内丸とも子(カラーループ、パーカッション)、宮原佑貴子(京都光華女子大、パーカッション)、住友隆平(帝人フロンティア、アルトサックス)、東山幸央(兵庫県工業技術センター、衣装・グッズ制作)の各氏が参加した。