LIVING-BIZ vol.104(7)/東洋紡せんい/フランスベッド

2024年03月19日 (火曜日)

〈東洋紡せんい/有機綿を改質し機能性アップ/特殊紡績技術で差別化〉

 東洋紡せんいは、特殊原料や特殊紡績技術を活用した差別化糸に定評がある。有機綿を改質した素材も強みの一つで、寝具寝装向けでも力を入れる。

 同社は長年にわたってインドの大手紡績と連携し、有機綿を調達してきた。有機綿を改質して、機能性をアップさせて付加価値を高めた素材もそろえる。寝具寝装用途では、有機綿を改質して吸湿発熱機能を半永久的に高めた糸「ホットナチュレネオ―O」や、有機綿を改質して消臭機能を持たせた糸「デオドラン―O」を提案する。デオドラン―Oは改質したセルロースの分子構造の作用でアンモニア、酢酸、イソ吉草酸の臭いなどを軽減。汗や尿などのアルカリ成分、酸性成分などを中和するpHコントロール機能がある。

 特殊紡績技術を生かした吸汗速乾・清涼機能綿糸「爽快コット」の春夏向け提案にも力を入れる。爽快コットは有機綿使いも可能だ。

 環境対応素材では、マテリアルリサイクルだけでなくケミカルリサイクルも用意した高品位リサイクルナイロン「ループロン」なども提案する。

 インナー向け素材の寝具寝装向けへの活用にも引き続き力を入れる。

〈フランスベッド/猛暑に向け初の涼感枕/「ズカンピロー」4月発売〉

 フランスベッドは、同社初となる涼感タイプの枕「ズカンピロー」を開発した。専用カバー付きで1万6500円。4月に全国の家具店、百貨店、量販店、電子商取引(EC)サイトなどで発売。今年も猛暑が予想される中、初年度5千個の売り上げを目指す。

 健康にいいといわれる“頭寒足熱”に着想を得た。日本企業初採用というドイツの放熱シートを内蔵し、一般的な枕より表面温度を2・6℃低く抑え、その状態を朝まで維持。表面のハチの巣状ジェル(熱可塑性エラストマー)は、頭と枕の間に空間を作り放熱効果を高めるとともに、独特の浮遊感で頭部への圧力を分散し頸椎(けいつい)への負担も軽減。低反発ウレタン層全体に孔を設け通気性もいい。

 同社は枕を“生活の質を高めるアイテム”という新たな価値観で開発。2017年発売の「スリープバンテージピロー」は、横向き寝を促し、いびき軽減をサポート。累計販売60万個を誇る。21年には新型コロナウイルス禍のステイホームに応えた、ごろ寝用の枕兼クッション「スノーレスピロー」、多様な寝方に対応する「ウミガメピロー」を発売。それぞれ5千個、2万個を売り上げ好評だ。

 ズカンピローは独自の放熱テクノロジーで、枕にこもる熱を就寝中に放熱してムレを軽減。寝苦しい夏場でも快眠へ導き、日々のウェルビーイング向上をサポートする。枕の上下で高さが異なる(13センチ、10センチ)仕様で、向きを変えて好みの高さで眠ることもできる。