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帝人フロンティア 今期は国内向け堅調

2024年03月22日 (金曜日)

 帝人フロンティアの衣料素材本部は今期(2024年3月期)、計画に対して増収減益となる見通しだ。今期はテキスタイルの国内向けが増収増益で、スポーツ、ユニフォームとも伸びている。減益は前期に好調だった輸出が減速したほか、コスト上昇分の転嫁が十分に進まなかったため。

来期は「強みを持つ分野をさらに拡大していく」(門脇秀樹衣料素材本部長)形で増益を目指す。

 前期に好調だった輸出は販売量を落としていないものの、利益は減益となる見通し。売り上げは欧州向けの失速を北米向けの拡大でカバーしている。

 来期(25年3月期)は売上高をほぼ前年並みの計画とし、強みを持つ分野をさらに伸ばす形で増益を狙う。国内向けでは得意とするスポーツのニット素材をユニフォームにも生かす開発を加速する。ユニフォームでは特に別注を伸ばすほか、カジュアルな要素を取り入れたワーキングなどに力を入れる。スポーツのニットが柱の輸出は織物も拡大していく考えで、北陸産地との取り組みで環境配慮型の機能糸や細繊度糸を使った薄地高密度などを強化する。

 糸売りは、北陸で染色加工の納期が長くなっている影響もあって伸び悩んでいる。来期は堅調に推移するサステイナブルな機能糸をさらに伸ばすほか、21年に東邦テキスタイルを吸収合併して取り組んできた長繊維と短繊維の強みを融合させた開発を強化する。

 国内子会社は総じて堅調で、織布のフロンティアテックスも順調に伸びている。帝人フロンティアニッティングは生産効率の向上で仮撚り、編み立てとも回復。来期はスポーツ用途が落ち込むが車輌用などでカバーする計画で、引き続き生産効率の改善に取り組む。帝人フロンティアDG(新潟県見附市)は生産品種を入れ替えながら収益を高める。現在はワーキング用が多いが、官需用などを強化する。