繊維ニュース

ダイワボウレーヨン 原料調達先を確保

2024年03月26日 (火曜日)

 ダイワボウレーヨンは、使用済み綿製品を原料として再利用するリサイクルレーヨン短繊維「リコビス」を衣料から不織布まで幅広い用途に積極的に提案する。原料となるリサイクル溶解パルプのサプライヤー1社が2月に経営破綻したが、既に別の調達先を確保しており、今後のリコビスの生産に影響はない。

 リコビスは、使用済み綿製品や綿端材を原料とした溶解パルプから製造するリサイクルレーヨン短繊維。世界的にサステイナビリティーへの要求が高まる中で、サーキュラーエコノミー(循環経済)の実現に寄与する繊維素材として注目が高まってきた。

 原料であるリサイクル溶解パルプの調達先の一つであるスウェーデンのリニューセル社が2月に経営破綻したことでリコビス生産への影響が懸念されたが、同じくスウェーデンの林業・パルプ大手であるソドラ社からもリサイクル溶解パルプを調達しており、引き続き問題なくリコビスを生産できるとしている。

 ダイワボウレーヨンは現在、サステと機能性を融合したレーヨンの開発・提案に力を入れており、リコビスもその重要な商材となる。これまで衣料分野を中心とした紡績用途で先行した採用が始まっていたが、今後は不織布用途にも積極提案する。

 不織布分野は使い捨てアイテム向けが多いためコスト要求の面からも環境配慮素材の採用が遅れ気味だが、欧州など海外では使い捨て不織布製品でも環境配慮型素材の要求が高まっている。こうした流れが今後は日本も含め世界的に強まるとみており、生分解性など環境に優しい特性を持つレーヨンでサーキュラーエコノミー実現にも寄与できるリコビスを戦略的な商材として重点提案する。