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東洋紡エムシー 自動車専門部署を新設

2024年04月04日 (木曜日)

 東洋紡エムシーは1日付で社長直轄の自動車専門部署「モビリティ事業推進ユニット」を新設した。営業・開発一元組織によって完成車メーカーへ直接アプローチし、共同開発などを推進することが狙い。2030年度(31年3月期)にはユニットによる売上高1千億円を目指す。

 同社はこれまでもエンジニアプラスチック、機能樹脂、不織布など多様な素材を自動車分野に供給してきた。しかし近年、自動車を含むモビリティー分野では急速な技術革新が起こり、異業種からの新興メーカーも台頭するなど環境が劇的に変化する。このため従来のように部材・部品メーカーへのアプローチだけでは新たなニーズへの対応に限界があった。

 このため社長直轄の営業・開発一元組織としてモビリティ事業推進ユニットを設置し、エンプラ、機能樹脂、不織布などを担当する人員約20人を配置した。完成車メーカーに直接アプローチすることで完成車メーカーの企画構想・先行開発段階からニーズを捉えた共同開発に取り組む。ユニット長は平河内博史営業本部副本部長兼樹脂・ケミカル営業ドメイン長が兼務する。

 開発・提案の重点テーマとして、自動車軽量化のための「質量低減金属代替」、樹脂化・機能化による「次世代内外装」、リサイクルなど「次世代環境対応」、加工技術の深化による「新素材・新技術」、規制強化に対応する「フッ素代替」などを掲げている。

 これらテーマに対して社長直轄組織であることを生かした迅速な意思決定と執行を強みに、激変するグローバル市場にスピード感を持って対応することを目指す。また、将来を担うモビリティー人材の持続的な育成に取り組む。