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2月の紡協綿糸布生産/紡績糸9.7%減/運転率60%台に回復

2024年04月05日 (金曜日)

 日本紡績協会がまとめた会員企業の2024年2月の紡績糸生産は3428コリ(前年同月比9・7%減)、うち綿糸は2513コリ(8・1%減)だった。2月末段階での運転可能錘数は15万6千錘で前月末から1万1千錘減少。運転率は63・5%で5カ月ぶりに60%台に回復した。

 国内での綿糸需要は低調で、昨年5月から前年実績を下回る。月末在庫高が6212コリとなり、21年4月以来の6千コリ台となる。依然として中国や東南アジアの現地サプライヤーが採算を無視して在庫を手放す傾向が強いものの、ニューヨーク綿花定期相場で期近物が2月の時点で1ポンド=90セントを超えるなど綿花高の基調を受け、運転率が上昇したものとみられる。

 東洋紡せんいが富山事業所の入善工場(富山県入善町)と井波工場(同南砺市)を3月末までに休止し、紡績工程を庄川工場(同射水市)に新設する紡織工場と、マレーシア紡織子会社の東洋紡テキスタイル〈マレーシア〉に移管する影響も反映しているものとみられる。

 兼営織布の生産量は103万1千平方メートル(40・0%減)。うち合繊織物は96万3千平方メートル(38・4%減)、綿織物は6万8千平方メートル(11・7%減)となった。スフ織物は生産がなかった。1月末段階での兼営織機台数は283台で前月末と変わっていないが、運転率は昨年12月の97・1%から1月が73・1%、2月が73・5%と落ちており、その影響が生産量の減少につながっているものとみられる。