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東レ/選択的に集積・作用/ポリマー結合型抗がん剤

2024年04月10日 (水曜日)

 東レは、東京慈恵会医科大学疼痛制御研究講座、帝京大学とそれぞれ共同で行った非臨床研究で、ポリマー結合型抗がん剤(コード名・TXB―001)が複数の固形がんに対して強い抗がん作用を示すことを確認した。既存のアンスラサイクリン系抗がん剤に認められる複数の毒性が顕著に低減することも確認した。

 TXB―001は、活性本体のアンスラサイクリン系抗がん剤に、機能リンカーを介してポリマーを結合させた新規抗がん剤。薬物をがん組織へ選択的に集中させ、作用させる仕組みが付与されている。今回の共同研究でがん治療の新たな選択肢となる可能性があると分かった。

 研究結果は、5~10日に米・サンディエゴで開催された米国がん学会の年会で東レが発表した。研究成果の一部は国際的論文誌「Toxicology and Applied Pharmacology」485号に掲載。