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東レなど 自動車産業循環へ技術実証

2024年04月11日 (木曜日)

 東レ、トヨタ紡織、三井化学など15社と1大学で開始する「ELV 自動精緻解体を起点とした水平サイクルを実現する動静脈一体プロセスの技術実証」が、環境省の「令和5年度自動車リサイクルにおける再生材利用拡大に向けた産官学連携推進事業」の一つに採択された。

 自動車産業では、サーキュラーエコノミー(循環型経済)への転換が要求され、その中で再生材の利用拡大を通じて天然資源の新投入量の削減が求められている。現在は使用済み自動車(ELV)を粉砕し、材料ごとに選別して再生材を作り出しており、水平リサイクル率が低いのが実情だ。

 また、ELVの解体・粉砕を担う業界では、深刻化する労働力不足への対応や安全・安心で快適な労働環境の整備などが課題になっている。これらの課題を解決するとともに、再生材の質と量の確保につながるような、ELVの新処理方法への転換が不可欠な状況になっている。

 今回、ELV解体・粉砕事業者、解体システム提供者、素材メーカー、自動車部品メーカー、研究機関などが連携。ELVの新処理手法である自動精緻解体プロセスを起点とする技術実証などを通じて社会実装する上での課題の抽出を行う。処理方法の持続可能性についても検証する。

 参画しているのは東レ、豊田合成、トヨタ紡織、三井化学、デンソー、リバー、DIC、UACJ、金城産業、九州メタル、住友化学、大同特殊鋼、野村総合研究所、古河電機工業、マテックと早稲田大学。実証は、2025年1月まで実施予定。