繊維ニュース

3月 大手アパレル/一転マイナス基調に/気温低下で春物動かず

2024年04月12日 (金曜日)

 大手アパレルの3月度全店売上高は、増収だった2月から一転してマイナス基調となった。増収となったのはオンワードホールディングス(HD)とルックHDの2社。月前半から中旬にかけて気温が低く、中軽衣料を中心に春物ウエアが伸び悩んだ。

 オンワードHDは3・7%増と伸びた。月前半は春物衣料の動きが緩やかだったが、月後半に盛り返した。春物アウターやパンツ類が高稼働。オーダーメードブランド「カシヤマ」は販促を強化したことで、来店客数と売上高が大幅に増加している。

 ワールドは2・1%減となった。店頭を春物商戦にシフトしたものの、気温が低く動きは鈍かった。その一方、月後半の気温上昇で軽衣料が稼働し、通勤でも着用できるブラウスや新生活関連の雑貨アイテムが堅調。羽織り感覚で着られるマウンテンパーカ、通勤でも着用可能なテーラードジャケットが売れ筋に浮上し、ジュエリーや革小物も好調だった。

 TSIホールディングスは2・5%減となった。同社も春物商戦が低調だったほか、前年同月に好調だった反動も見られた。月後半は春物衣料が稼働したが、全体をカバーできなかった。撤退ブランドの影響もあり、電子商取引(EC)の売り上げは11・6%減となっている。

 三陽商会は4%減となった。春物衣料の稼働が「後ろ倒しになった」としている。月後半はスーツ、ジャケットなどのビジネスアイテムやセレモニー対応のウエアが好調に推移した。昨年の新型コロナウイルス禍明けのリベンジ消費の反動もあり、前年を下回った。一方で「マッキントッシュ・ロンドン」が8%増と好調だった。

 バロックジャパンリミテッドは8・2%減と苦戦した。客単価はほぼ横ばいとなったが、客数は8・9%減と低調。2月は春物カジュアルウエアが高稼働し、2桁%近い増収となったが、3月は気温低下の影響を大きく受けた。

 ルックHDは5%増となった。婦人服ブランドの春物アウターが苦戦したものの、フィンランド発「マリメッコ」のウニッコ柄60周年記念アイテムや、フランスのブランド「アーペーセー」のインバウンド売り上げが寄与。店舗、ECともに前年同月を上回った。