日本エクスラン工業 新体制で製販一体

2024年04月16日 (火曜日)

 東洋紡グループのアクリル繊維メーカーである日本エクスラン工業は、1日付で大阪市北区に置いていた本社を西大寺工場(岡山市)に移転した。営業部門と生産部門を同一事業所に置くことで製販一体体制とした。

新体制による効率化や開発力の強化によってアクリル繊維とアクリレート系繊維、デシカント材料(高分子吸着剤)など需要掘り起こしと拡販に取り組む。

 今回の本社移転は、西大寺工場に営業機能を移すことで製販一体体制による効率化と開発スピードの向上が狙い。製造部門と営業部門が連携して企画開発型提案を進める体制とした。近年、アクリル繊維は他素材との競争が激化しており、用途開発などが重要テーマとなる。市場のニーズをいち早く商品化する開発と提案が可能な体制とすることで需要の掘り起こしに取り組む。

 また、岡山市に本社を移転することで地元自治体との連携を強化する。自治体も地場産業振興のためにさまざまな政策を実行している。本社所在地が岡山市に変更されたことで、これら自治体の地場産業振興政策にも積極的に参画する。そのために資本金も1億円に減資し、自治体の政策対象となりやすい資本構成とした。

 製販一体によってアクリル繊維の需要掘り起こしに加えて、アクリレート系繊維の拡販にも取り組む。アクリレート系繊維はさまざまな機能性を付与できることを生かし、機能性衣料や資材用途での販売拡大を進める。また、デシカント材料は吸湿材用途などで販売拡大が続く。このため引き続き積極的な拡販に努める。

 海外市場の開拓にも力入れる。これまで海外販売の中心だった中国市場はアンチダンピング課税が継続されていることで劇的な拡大は難しい。このためインドや欧州など中国以外の海外市場の開拓に力を入れる。特にインド市場はセーター、インナー、手芸、資材など各用途で有望な市場とみている。

小原氏が社長昇格

 日本エクスラン工業は1日付で西山重雄社長(東洋紡機能繊維・商事本部付繊維事業アドバイザー)が退任し、小原則行取締役工場長が社長に就任した。