春季総合特集Ⅳ(14)/Topインタビュー/北高/社長 高山 茂也 氏/力結集し万博盛り上げ/輸出拡大が今期のテーマ

2024年04月25日 (木曜日)

 プリント生地を主力とする生地商社、北高(大阪市中央区)は、今年も宇仁繊維(同)、リバティジャパン(東京都渋谷区)との3者合同展「プリント祭」を開催する。昨年の好評を受けての2回目だ。背景には「連携しなければ将来は開けない」との考えがある。大阪・関西万博に向けた連携事業や共通商業ブランドも立ち上がった。

  ――北高にとっての共創・協働とは何でしょうか。

 来年開催される大阪・関西万博に向けた動きが徐々に強まっています。当社が所属する関西ファッション連合(KanFA)と大阪商工会議所が、万博内に設置される「大阪ヘルスケアパビリオン」の中で、連携したブースを構えることがこのほど確定しました。「サステナブルに基づく繊維・ファッション産業の未来共創プロジェクト」と銘打って、9月23~29日の期間限定でブースを構えます。

 4グループ計17社が参加する予定で、当社もその一角に名を連ねます。展示内容など詳細はこれから詰めていくことになりますが、当社としてはオーガニックコットンやセルロース繊維を使った生地、インクジェットプリントの生地などを打ち出していく計画です。共創・協働で万博を盛り上げていきたいと考えています。

 私が所属するKanFAのテキスタイル部会で、独自の生地ブランドを立ち上げることも決まりました。その名も「船場テキスタイル」。ロゴマークも策定しました。賛同者を募り、ブランディングしていきます。商業ブランドという位置付けで、商品提案力と生地備蓄力を訴求ポイントにします。これまで接点の薄かった国内外の新市場に向けて発信を強め、皆で新たな取り組みの構築を目指したいと考えています。

 5月8、9日には東京都渋谷区のリフォーク原宿で「第2回プリント祭」を開きます。北高、宇仁繊維、リバティジャパンというプリントを主力とする生地商社3者の合同展です。昨年開いた初回展には大勢のバイヤーに来場いただき、新規顧客が開拓できるなど3者それぞれに意味のある展示会になりました。これも共創・協働の取り組みの成果だと思いますし、皆でプリント業界を盛り上げるべく力を込めていきます。

 プリント祭にとどまらず、同業他社との連携に力を入れています。海外販路開拓などでも何か連携できないかと模索中です。

 お客さんの立場からしてみれば、「うちにはプリントしかありません」と言われれば選択肢が狭まります。同業他社との持ち合いによってそれを解消すれば、誰もが得をします。これからはこうしたケースが頻繁に出てくるのではないでしょうか。

  ――2024年1月期を振り返ってください。

 前期比2%増収で、売上総利益は3%増でした。新型コロナウイルス禍からのリベンジ消費でもう少し販売を伸ばせるとみていましたが、見込みほどではありませんでした。結果として在庫も増えました。これは反省点です。上半期に多く仕込んで、下半期にはブレーキを踏んだのですが、間に合わなかった形です。

 主力のメンズ向けが増え、レディース向けと輸出が横ばい、切り売り向けは減少でした。輸出は欧州と豪州が減少、米国や中東、東アジアが増加です。

  ――今期の見通しと重点戦略を。

 今年に入って1、2月は前年同月を上回るペースで、スタートダッシュとしては悪くありません。通期でも増収計画を立てており、早い時期にコロナ禍前まで売り上げを戻したい。

 ただ、今期は前期に積み上がった在庫の処分を断行する必要がありますので、利益はその加減次第ということになります。

 販売先としては、やはり海外市場向けを伸ばしていきたいです。前期の売り上げに占める輸出の比率は18%でした。多い時は20%を超えていましたので、早期にその水準に戻していければと思います。そのためフランスの「プルミエール・ヴィジョン」やイタリアの「ミラノ・ウニカ」に継続出展しますし、アジア各国での展示会に積極参加していきます。

〈最近のプチ贅沢/握りたてのすし〉

 東京市場開拓を兼ねて、東京へ出張する回数が増えた高山さん。帰路の新幹線を楽しみにしている。新幹線出張族といえば、東京駅構内でつまみや弁当とビールを買って持ち込むのが定番。最近は会社近くの行きつけのすし屋で折りを作ってもらって、それを新幹線内で食べる。それほどの高級店ではないが、できあいではない握りたてはやっぱりおいしい。すしのお供、日本酒のワンカップも忘れない。

【略歴】

 たかやま・しげや 2004年1月北高入社。同年4月経営企画部長、06年4月取締役、07年4月常務。11年3月から現職