先進課題への回答 テクテキスタイル &テックスプロセス 2024(2)

2024年05月15日 (水曜日)

JUKIがアワード受賞

 「テクテキスタイル&テックスプロセス2024」(4月23~26日、ドイツ・フランクフルト)では「持続可能性・循環型経済へのアプローチ」「新製品」「新技術」「新コンセプト」「持続可能性とリサイクル新技術」「品質向上のためのイノベーション」「経済性」「デジタル化+AI」の8部門でイノベーションアワードを選んだ。日本企業ではJUKIが「経済性」部門で受賞した。

 JUKIのアパレル用本縫いミシン「DDL―10000DX」は、生地送りを上下左右に自動制御することでイセ込み部分など従来はオペレーターの技量に大きく依存していた立体的な縫製を容易にこなすことができる。同社によると世界初の技術だ。

 「新製品」部門にはポルトガル繊維・衣料技術センター(CITEVE)の屋根用繊維強化材防水システム「スマートルーフシステム」が選ばれた。熱反射性シーリング膜と再生ポリエステルのジャカード織物で構成したもので、既存品と比べて性能と持続可能性に優れる。

 「持続可能性・循環型経済へのアプローチ」部門でベルギーのセンテクスベルが開発した熱可塑性繊維強化複合材料製航空機部品リサイクルプロセスが選ばれた。溶接された熱可塑性繊維強化複合材料を誘導熱によって過熱・分離し、部品の再利用を可能にする。

 「新技術」部門は3社が受賞。ドイツのデンケンドルフ繊維研究所の自己冷却コーティングは、太陽光を反射するのではなく熱エネルギーを放出する。空調で使用するエネルギーを削減する日除け材として注目だ。ドイツのヘレウス・プレシャスメタルズは銀とルテニウムを活用することで敗血症の感染リスクを抑える新規抗菌技術で受賞した。スウェーデンのルナマイクロは電動で衣服内の湿気を排出する多孔質のスマートテキスタイルで受賞した。

 「新コンセプト」部門は2社が受賞。ドレスデン工科大学繊維機械・高機能材料技術研究所はプレキャストコンクリートの一部にカーボンを使用し、コンクリート製造工程での二酸化炭素排出量削減を実現する。ドイツのレボルテックは麻の廃棄物からレザー調素材を開発し、ビーガン対応の皮革代替を実現する。

 「持続可能性とリサイクル新技術」部門は、ドイツのノラフィンインダストリーズの高圧ウオータージェットで繊維を三次元形状に接着する「ハイドロシェイプ」プロセスと、SA―ダイナミックスのバイオベースエアロゲル繊維によるリサイクル可能な断熱テキスタイルが選ばれた。

 「品質向上のためのイノベーション」部門はデュルコップアドラーのCNCミシンが選ばれた。回転式の縫製装置はあらゆる方向からの縫製を完璧にこなす。「経済性」部門はJUKIのほか、デンマークのミケルソンイノベーションのデジタル制御自動縫製システムと、ドイツのVEITによる化学薬品非使用で衣料から汚れや細菌などを除去する小型フィニッシャーが選ばれた。

 「デジタル化+AI」部門は2社が受賞。ベルギーのバルバンが開発した廃棄衣料から非繊維素材を自動的に認識・除去する装置は繊維リサイクルの自動化で効果を発揮することが期待される。ドレスデン工科大繊維機械・高機能材料技術研究所の4次元ボディースキャン技術は、通常の3次元スキャンに加えて体の運動時の変化も測定できる。製品開発の時間とコストを節約する可能性を秘める。