繊維ニュース

シキボウ/綿再利用ペレット開発/プラスチックの物性向上

2024年05月22日 (水曜日)

 シキボウはこのほど、従来廃棄されている綿素材を再利用したバイオマスプラスチックペレット「コットレジン」を開発した。従来廃棄されていた綿素材をミクロサイズまで細かくし、ポリプロピレン樹脂と混ぜることで、ポリプロピレン100%の商品に比べて物性が向上するデータを得ていると言う。3年後に3億円の販売目標を掲げる。

 コットレジンは、物性向上で従来のプラスチック製品はもちろん、より強度や耐久性に優れた成形品が得られると期待。製品の薄肉化にも貢献でき、樹脂の使用量削減や軽量化も見込める。

 ペレットで販売し、プラスチックが使われる自動車部品、電化製品、建材など幅広い用途を想定する。国内の繊維製品の廃棄量は年間約73万トンともいわれ、大半が焼却や埋め立て処分される。プラスチック業界でもバイオマス化は海外メーカーへの依存が高く、原料となる食物生産への影響が懸念される。循環経済に向け、コットレジンがそれらの課題解決に寄与できるものとして期待する。

 製造技術では特許出願済み。日本有機資源協会の「バイオマスマーク」も取得している。22~24日に東京ビッグサイトで開かれる「2024NEW環境展」に出展し、椅子をはじめ小物類などの製品サンプルの展示を検討している。