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ANEX2024開幕 台湾初開催へ期待感

2024年05月23日 (木曜日)

 アジア不織布産業総合展示会・会議「ANEX2024」が22日、台湾・台北市の台北南港展示館1館で開幕した。台湾初開催のANEX2024は「サステイナビリティ・イノベーティング」をメインテーマに、アジアをはじめとする18カ国・地域から不織布関連企業約300社が出展した。会期は24日まで。

 開幕式であいさつした主催のアジア不織布協会(ANFA)の韓国・パク・チャンヒョク会長(シュン・シン・エンタープライズ社長)は「台湾の不織布産業は新型コロナウイルス禍で高く評価されており、台湾での初開催には意義がある」と強調した。

 同じく主催の台湾区不織布工業同業公會の簡嘉青理事長は「世界3大不織布展の一つであるANEXを台湾で初開催できるのは、ANFAと不織布業界の国際協力の精神を示すものであり、共通の成功でもある」と述べた。ANFA最高顧問である金井重要工業の金井宏彰社長によると「今回展は台湾政府のバックアップもあった」。開幕式でも政府関係者が数多く出席するなど台湾の不織布産業に対する期待感を感じさせた。

 日本企業は27社出展したが、24社がANNA(日本不織布協会)パビリオンでの出展。単独ブースを構えた紡糸ノズル製造の化繊ノズル製作所(大阪市北区)は混繊メルトブロー不織布用のノズルを訴求するため、自社の試験設備を用いた不織布サンプルを出品した。「今回展を通じて広げていきたい」と話す。

 ANNAパビリオン出展の帝人フロンティアはポリエステルクッション材「エルク」など各種原料を紹介した。昨今、ウレタン代替として自動車用で関心が高まっていることから、今回展でも訴求する。

 大和紡績は同じくANNAパビリオンでグループ出展。同社は生分解性複合繊維を、ダイワボウレーヨンは差別化わたを提案した。ダイワボウレーヨンでは「今回展を通じて市場調査を行い台湾にも差別化品で不織布向けを広げたい」とする。

 ANFAの金井最高顧問は「ANNAパビリオン出展者も若手従業員が担当しており、人材育成につながるのではないか」と期待した。