ANEX2024 湿式やエアレイド存在感

2024年05月27日 (月曜日)

 【台北=西田貴夫】台湾・台北市で22日から開かれていたアジア不織布産業総合展示会・会議「ANEX2024」は24日、閉幕した。日系企業の多くが集まったANNA(日本不織布協会)パビリオンでは湿式不織布やエアレイド不織布などが存在感を示した。

 湿式不織布製造の三木特種製紙(愛媛県四国中央市)は主力の膜支持体は台湾に市場がないこともあり、和紙テープ基材や伊予和紙製マスクなどを製品で提案した。

 特に和紙テープ基材は建築塗装・車両塗装時に使用される養生テープは世界的に需要が増えていることから、サンプル製品を展示。来場者から好評だった。

 湿式不織布製造の廣瀬製紙(高知県土佐市)も同様に膜支持体以外の提案を行った。

 エレクトロスピニング法によるナノファイバー製造技術やPPS(ピリフェニレンサルファイド)のショートカットファイバーを使用した湿式不織布を訴求した。ナノファイバーと湿式不織布の複合品はマスク基材向けに販売するが、フィルター性能を生かして他用途の開拓を目指している。2021年に専用のナノシア工場(高知県日高村)を新設し本生産をスタートした。

 エアレイド不織布では王子キノクロス(静岡県富士市)が、木材パルプ使いでバイオマス度85~99%と紙マークが付与できる育苗用・緩衝用シート「ハイビオス」、成形可能な「キナリト」に加え、セルロースを補強繊維に使用した樹脂複合ペレットを使った耐衝撃性がある「タフセル」も紹介した。樹脂はポリプロピレン。セルロース繊維を均一分散する技術を生かした。

 金星製紙(高知市)はエアレイド不織布に絞った。0・2¥文字(U+3325)¥文字(G3-1005)の細繊度の複合繊維を使った「リモレイ」、不織布密度が均一な凸型「デコレイ」と日本製紙の金属イオン担持パルプ「シーユートップ」を配合したタイプを出品し、来場者との面談を通じて用途開拓を目指した。