いざベトナム市場 開拓へ~ 「VIATT25」 開催記念インタビュー(4)メッセフランクフルト香港 温ティン(女へんに亭) 副局長
2024年06月17日 (月曜日)
越初の専門性高い総合展
――2月28日~3月1日にホーチミン市で、「ベトナム国際アパレルファブリックス&繊維関連技術専門見本市」(VIATT2024)を初めて開きました。
この5年間で繊維のグローバルサプライチェーンは、大きく変化しました。中国はいまだに最も完成されたサプライチェーンを持ち、またアパレルの世界第2位の消費国でもあります。一方で、欧米などの海外ブランドが中国一極集中を嫌い、東南アジアでの生産を急速に増やしました。縫製業を中心とした中国企業自身も、(人手不足や人件費上昇などを背景に)東南アジアに生産地をシフトしています。
こうした「売る側」と「買う側」双方の東南アジアでのニーズに応えるべく、貿易プラットフォームである当社は、東南アジアでの展示会開催を決めました。
――ベトナムを開催国に選んだ理由は。
同国が世界3、4位のアパレル輸出国であること、当社の顧客である中国企業が近年同国に多数進出していること、さらに同国で繊維のニーズが高度化しつつあることです。
われわれ消費者が購入するアパレルは以前、ほとんどが中国製でしたが、今では大部分がベトナム製です。アパレルだけでなく、バッグなどの服飾品も同様です。このことからも、ベトナムで生産される素材やアパレルが、高度化していることが想像できます。
――VIATTをアパレル、ホームテキスタイル、産業資材の全サプライチェーンをカバーする総合展にした狙いは。
ベトナムでの繊維のニーズが高度化、多様化していることに応えるためです。ベトナムでも繊維関係の展示会が開かれていますが、多くは縫製機械展です。総合展は、VIATTが初めてではないかと思います。
――VIATT24の概要と成果は。
出展者数は17カ国・地域の407社でした。海外出展者のうち、最も多かったのが中国企業で、出展者全体の約半数を占めました。第2位は日系企業で、19社でした。日系企業の出展者が多かったことは、当社にとって思いがけない幸いでした。生地のストックを展開する出展者のブースが特ににぎわいました。
来場者数は1万7千人超でした。うち国内の来場者が70%、海外からの来場者が30%を占めました。欧米向けの工場やバイイング・オフィスの関係者の姿が目立ちました。地場ブランドの来場者は多くなかったです。これは次回以降の課題です。
――来年2月に開催するVIATT25の抱負は。
総合展として規模の拡大を図りながら、国際性と専門性をさらに高めます。特にバイヤー招聘(しょうへい)のためのマーケティング活動に力を入れます。地場ブランドの関係者にも積極的にアプローチしていきます。
(おわり、上海支局)





