繊維ニュース

TC―Net 埼玉県和光市と連携協定

2024年07月01日 (月曜日)

 繊維製品のリユース・リサイクル促進と循環型ビジネスモデル構築に取り組む一般社団法人、テキスタイルサーキュラーネットワーク(TC―Net)はこのほど、埼玉県和光市と繊維to繊維リサイクル促進と資源循環システム構築のための連携協定を結んだ。

協定に合わせて1日から市庁舎に古着回収ボックスを設置する。

 TC―Netは、繊維製品のリユース・リサイクル促進と循環型ビジネスモデル創造、それに向けた提言や事業によって地域経済・地域社会に貢献することを目的に2022年に設立された。理事長に京都工芸繊維大学の木村照夫名誉教授、副理事長は大津毛織(大阪府泉大津市)の臼谷喜世彦社長と中古衣料品リユース・リサイクル事業のファイバーシーディーエム(堺市)の泉谷康成社長が務めている。

 企業・団体では大津毛織とファイバーシーディーエムのほか、日本通運、帝人フロンティア、上田安子服飾専門学校、障害者作業施設を運営する社会福祉法人泉大津みなと会(大阪府泉大津市)、協同組合関西ファッション連合(KanFA)、クリーニングのフランス屋本部(大阪府岸和田市)、ディスプレー用品企画・制作のエー・ディー(東京都中央区)が参画している。

 和光市との連携協定によって1日から市役所庁舎北側エントランスに古着の回収ボックスを設置する。同市はこれまで集積所で定例の行政回収と自治会などによる集団回収を実施し、古着を回収業者に引き渡してきたが、新型コロナウイルス禍以降、市民の生活スタイルの変化などで回収量が低迷していた。このためTC―Netが回収ボックスを設置することで市民は用事や外出のついでに常時古着を回収に出せるようになる。

 回収できる古着の品質や形状についてはボックスのバックパネルに掲示し、具体的なアイテムごとの回収可否も掲示物に表示したQRコードから確認できる。回収した古着がTC―Netのネットワークによって適正処理し、主に繊維to繊維の水平リサイクルによるさまざまな製品に再生する。また、和光市の各種関連イベントへの参加を検討する。

 TC―Netは23年3月に東京都葛飾区と繊維to繊維リサイクル促進と資源循環システム構築のための連携協定を結んでいる。今回、和光市との協定締結は自治体との連携第2弾となる。