ごえんぼう
2024年08月16日 (金曜日)
混乱が続いているバングラデシュで暫定政権が発足した。最高顧問に就任したノーベル平和賞受賞者のムハマド・ユヌス氏は治安の安定化に最優先で取り組む姿勢を示した▼米国はバングラデシュ軍の自制を評価し暫定政府に支持を表明した。欧州連合も民主的に選出された政府への「秩序ある平和的な移行」を促した。一連の動きを見ると民主化による「バングラデシュ革命」と言っても過言ではない▼前政権による強権政治の中、市民は抑圧されてきた。同国でバッグを生産しているあるブランドの経営陣は「治安は不安定。前政権寄りの警察機関は機能不全に陥っている」とメールで教えてくれた▼豊富な労働力と安価な人件費を強みに縫製業は主力産業に成長。世界第2位の衣料品輸出大国の行く末に注目が集まっている。ジェトロの推計によると同国には5千社の縫製工場があるらしい。工場への影響が小さいことを切に願う。