ごえんぼう

2024年08月23日 (金曜日)

 「世の中の課題には多数決で決められないものがある」。大阪府立北野高校(大阪市淀川区)の創立150周年の記念誌には制服モデルチェンジ(MC)の経緯がいろいろと書かれている▼来入学商戦に向けてもLGBTQ(性的少数者)に配慮し、学校制服をブレザー化する流れが続いている。同校も今年から制服を刷新、「性別に違和感がある人が性別の象徴である一つの制服を強制されるとすれば、毎日の苦痛は計り知れない」ことを変更の理由に挙げる▼「ただし、制服の変更はその人たちのためだけに行うのではありません」とも。「少数者への配慮は実はみんなの利益につながる」とともに「制服変更も同じこと」と指摘する。「一人ひとりを大切にする学校は実は誰にとっても過ごしやすい学校なのです」▼多様性を尊重する世界的な傾向は、時に大きなあつれきを生む時もある。しかし、それを乗り越えてこそ人類の進化があるはず。