ごえんぼう

2024年08月27日 (火曜日)

 映画館に足を運ぶようになったのは10代の頃。作品を見るよりも、劇場の雰囲気が好きだった。昔は映画館の数も多く、それぞれが個性的で飽きなかった▼パソコンが普及する前は、新聞で上映作品と時間を調べてから出掛けていた。以前は座席指定や入れ替え制はなく、同じ映画を続けて見ることもしばしば。多くの人が一度は映画館に行った経験を持つはず。その数だけ思い出がある▼よく行く映画館で80代後半ぐらいの女性を見掛ける。息子と思われる男性が付き添っている。遭遇するのは海外アクションの字幕版の回がほとんど。決め付けるのは良くないが、およそ高齢者には似つかわしくない作品ばかりだ▼「洋画が好きなのかな」「以前は通訳を仕事にしていて、英語を忘れないために見ているのかな」と勝手に想像しつつ、二人の姿にいつもほっこりし、安心感を覚える。映画館に行く楽しみと思い出がまた一つ増えた。