特集 アパレルパーツ(3)/増見哲/清水惣/カジテック/トップマン工業/テンタック
2024年08月30日 (金曜日)
〈増見哲 社長 増見 喜一朗 氏/淡路島の施設を軌道に〉
2024年7月期は前期比微増収の24億3千万円だった。苦戦を強いられ減収となった分野もあったが、増えた分野もあり、なんとか伸ばせた。ただし、全体として数量は減少した。当社には定番品のリピート商売が少ないので、その都度その都度の積み重ねでやっている。
バングラデシュでの受け渡し拡大に力を入れている。首都、ダッカに事務所を置き、日本人1人、ナショナルスタッフ3人の体制で仕入れ先と供給先の開拓を続けている。デモの頻発で死者も出るなどマイナス面もあったが、今後も同国での対日縫製品ビジネスは拡大していくことが確実だとみているので、金属ホックやスレーキ、パッド類など現地調達のバリエーションをさらに広げて事業を拡大していきたい。
今期は昨年12月にオープンした兵庫県・淡路島のサステイナブルをテーマにしたファッション発信複合施設「ei―to」(エイト)の運営を軌道に乗せる期だと捉えている。幸い、プリント工房や藍染め工房が人気を博し、自社製品ブランド「カポック」などの物販も今のところ好調に推移している。9月15日には地元の子供たちや服飾学校の生徒がデザイン・制作した服を着てファッションショーも行う。
〈清水惣 専務 清水 大介 氏/見本帳新調で攻勢〉
2024年5月期は前期比2%の減収だったが、利益は自社工場のシステム変更など効率化が進んで横ばいだった。想定通りであるし、地合いからすれば健闘したと言える。価格改定については順次進めているが、コスト高に追い付いてはいない。今秋にも全品番の値上げを予定している。
上半期は全般的に堅調だったが、昨年12月の暖冬による店頭不振以降、市況が急激に悪化した。アパレルメーカーなどが生産調整の意識を強めたことが影響している。下期も不透明感が強いが、前期比増収増益は目指したい。
拡販策の一つとして、不織布芯地の見本帳を6年ぶりに新調した。新型コロナウイルス禍で見本帳作製も控えていたが、国内大手が撤退したこともあり、シェア拡大に向けて久しぶりに作った。
再生ポリエステルと黒原着わたを使用した「リサイクル&パーツ芯」シリーズなどさまざまな不織布芯地を87点収録。婦人服、紳士服、ユニフォーム、スポーツ、手芸、バッグ、帽子などあらゆる販路に向けて提案を強めていく。安定供給体制、品質安定性、アフターサービスの充実、納期対応などを訴求し、安価な海外製との差別化を図っていく。
〈カジテック 社長 梶浦 昇 氏/独自の商品開発続ける〉
上半期(2024年2~7月)は前期比増収増益だった。このままのペースでいけば近年の過去最高売上高を前期に続いて更新する見込みだ。
前期伸ばしたユニフォーム向けは担当者の病欠も影響して横ばいだったが、大手SPA向けが好調に推移しており、全体を引き上げた。中国、ASEANなど海外アパレル向けも順調に伸びている。海外アパレル向けは現状22~23%だが、近い将来には30%を超えたいと考えている。
中国向けでは艶消しプラスチックホックの「サングリップ」が、指名買いも入るなど人気を博している。当社はプラスチックホック以外にハトメや面ファスナーなど多彩なパーツを供給できる体制を築いているため、単品供給が多い中国メーカーよりも「便利」との評価を得ている。
ベトナム向けも展示会出展が奏功して好調だ。バングラデシュやインド向けも伸ばしていきたいと考えており、着々とその準備を進めている。
大手SPA向けは数量に変化はなかったが、単価が上がった。艶消しホックなど中国など海外にはない商品が評価されている。今後も最低でも一年に一つは「海外では作れない」独自の商品を開発し、拡販していきたい。目下、発表間近の新商品も仕込んでいる。
〈トップマン工業 社長 室賀 昭人 氏/拡販へ仕組み作り進める〉
当社はバイアステープを中心とした副資材を販売するマテリアル事業部、製品OEM/ODMのH&C(ヘルス&コンフォート)事業部、健康グッズなど独自開発の最終製品を販売するNB(ナショナルブランド)事業部の三つを展開している。
2024年3月期は前期比増収増益だった。H&C事業部がけん引役を果たした一方、マテリアル事業部は反射テープが伸ばしたもののアパレル不況の中で減収減益だった。原油高の影響を受けて価格転嫁も進めたが十分ではなかった。今期もここまで、H&C事業部が好調で、マテリアル事業部がやや不調という傾向が続いている。
マテリアル事業部では熱可塑性エラストマー使用の「ネオラバーテープ」(NRT)やその生地バージョン「ネオラバーファブリック」(NRF)の拡販に力を入れている。肌触りの良さが評価されてインナーなどでの採用を増やしているが、価格面がネックになっている。展示会や顧客との商談で「見せ方」「売り方」を意識しながら拡販への仕組みを作っていきたい。
H&C事業部は介護関連商品の好調などで増収基調が続いており、今後も「健康・メディカル」「防水・撥水(はっすい)」「ファッションと健康のハイブリッド」をテーマに提案力を磨いていく。
〈テンタック 社長 橋本 惇巨 氏/RFIDとサステ商品好調〉
現在、業績をけん引しているのが、RFID(無線通信による個別管理システム)とサステイナブル素材商品だ。
RFIDは、アパレル分野ではサブスクリプション(定額利用)サービス向けといった新しい使われ方をしている。一方、非アパレル分野での用途も広がっており、雑貨・小物から医療関連、土産物と種類は多岐にわたる。
当社はRFIDについて、インレイの開発から製品化まで一貫して行う国内有数のメーカー。この強みを生かし多方面に製品を広げれば、ポートフォリオ拡大につながる。
副資材メーカーとしては、いち早くサステ素材を使った独自商品の開発に取り組んできた。2024年から本格的に包装資材として提案を進めるのが、再生ポリエチレンを100%使用したフィルム「ハザイナノ」だ。
同製品は大手フィルムメーカーと共同開発した資材で、生産時に発生する端材を再利用するが、固定のルートで調達した原料を使用するため、透明度が高い良質なフィルムを安定的に供給する。
商品の拡販と並行し、作業の自動化・機械化を推進している。ウェブ上で商品を発注できるシステムの活用を顧客に提案しているが、さらなる業務効率化のため、こうした動きを加速させる。





