ごえんぼう
2024年09月03日 (火曜日)
「24時間戦えますか」。栄養ドリンク「リゲイン」のCMのフレーズで、1989年の新語・流行語大賞にもランクインした。徹夜もなんのそので、猛烈に働く当時の日本の姿を少なからず映し出している▼眠りを軽んじた世の中へのアンチテーゼとして示されたのが、91年に芥川賞を受賞した「自動起床装置」(辺見庸著)だ▼眠りから強制的に起こす装置を巡る小説で、「起きているほうが、眠るより大事だと思ってしまう。起きてしごとするために眠りがあると誤解するんだ。眠りを軽視するんだね」と批判的にとらえて、眠りの価値を問い直した▼それから30年余。日本人の睡眠時間は経済協力開発機構(OECD)の2021年版調査で33カ国中最も短いが、睡眠への関心は徐々に高まっているようにも見える。生涯の約3分の1を占める睡眠が充実すれば、人生はきっと豊かになるだろう。今日9月3日は「秋の睡眠の日」。