中国生産の 魅力再発見 第2回ザ・メーカーズ・ アパレルショーレビュー(1)
2024年09月13日 (金曜日)
日本市場の掘り起こし狙う
中国トップクラスのアパレルOEM/ODM関連企業83社が集結した商談会「第2回ザ・メーカーズ・アパレルショー」がこのほど、サンシャインシティ文化会館(東京都豊島区)で開かれた。日本企業とのビジネスで豊富な経験を持つ出展者が多く、品質や小ロット・短納期といったニーズへの対応力を発信した。来場した日本バイヤーは、中国生産の魅力を再発見しようと各ブースで活発に会話を交わした。
次回は来年3月に、会場を東京国際フォーラム(千代田区)へ移して開催する。
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2月の初開催から約半年後の第2回は、前回からの〝リピーター〟に加え〝初参加組〟も多く、全体的に出展内容の多様性が増した。
同展事務局メンバーの一社で、リーダー的役割を果たす北京和霽商務策劃の翟鑫董事総経理は「市場ニーズをより幅広く捉えるため、特徴や専門性を発信できる企業の出展を促進した」と話す。
威海博諾製衣は山東省乳山市のニット専門メーカー。「他にない商材がある」と品ぞろえで個性を打ち出した。セーターを得意とする同社は、自社でデザイナーやパタンナーを擁し、製品の設計と開発のチームも持つ強みを提案力にも生かしている。今展では、プリントと刺しゅうで装飾を施したアイテムを通じて技術力をアピールした。
ビジネスは欧米向けが中心で、現時点で日本向けは20%ほどだが、「アジアの中では日本は外せない。取引を広げたい」として同展に参加した。
浙江凱喜雅貿易発展も「日本向けは約30%だが、安定した受注が期待できる日本企業との取引を増やしたい。高い品質要求に応えることで、自社がレベルアップできるのも魅力」と指摘する。
織物とニットを手掛ける同社は、ハイブランドの加工で豊富な経験を持つ一方、量販店向けの生産もこなす。生地を在庫し、幅広いニーズに対応する。
今展では、サステイナビリティー重視の風潮に合わせ、シルクをはじめとした天然繊維の活用を提案していた。
威海佐佐木服装は、主に日本向けの織物製品やニット製のスポーツウエアなどを生産する。今展ではアウトドアを意識したアイテムも出品し、多様なニーズに対応する供給体制を訴求した。
日本に多くの固定客を持つが、さらに潜在する需要を掘り起こそうと、日本法人の設立を準備していると言う。