東洋紡せんい・ユニフォーム 上半期は5%増収見通し
2024年09月26日 (木曜日)
東洋紡せんいのユニフォーム事業部の上半期(4~9月)は、サービスウエア向けの販売が堅調なほか、別注案件の増加によって前年同期比5%の増収になりそうだ。
ニットのストレッチ性はそのままに洗濯耐久性といった織物に近い物性、風合いを実現した「コンフォネックス」の販売量が成約ベースで倍増になるなど、新素材を軸に拡販が進む。
前期(2024年3月期)は、大型案件の別注の獲得などで前の期比12%超の増収だった。前期の大幅増収を受け、今期は販売量の落ち込みを懸念していたが、上半期は「計画通りの進捗(しんちょく)」(山本慎太郎ユニフォーム事業部長)。営業利益面も値上げによる効果によって「計画には追随している」として微増を見込む。
ワーキング向けが前年同期並みとなったが、サービス向けがインバウンド需要の拡大などを受け順調に伸ばした。最近投入した差別化素材の販売も加速。コンフォネックスは編み組織など「バリエーションをかなり増やしている」こともあり、ワーキング向けに販売を伸ばした。これまで編み地ではスナップやピリングなど弱点があったが、それらの弱点を克服。試験データ的にも「数字の裏付けを持って提案できている」ことが奏功した。
サービス向けではポロシャツ用途として高機能ニットシャツ地「Zシャツ」「Eシャツ」の販売が拡大。高弾性糸と高捲縮(けんしゅく)糸を組み合わせることで高密度とストレッチ性を実現した編み地「スクラムテック」は、一部のワークウエアメーカーが採用し、下半期以降の販売拡大を期待する。
売上高に占める編み地の割合は前期、10%前後となっていたが、今期は15%を超えそうだ。一方でメディカルや介護ウエアの用途では、編み地に対し工業洗濯を不安視する声から「オールフレックス」を選ぶケースが増加。同素材はフルダルの高捲縮ポリエステル糸使いの2ウエーストレッチ織物で、下半期に向け新規採用が増えつつある。
スクールやスポーツの事業部と連携しながら、コンフォネックスやZシャツの生地をユニフォーム以外の分野へも販路を開拓。スクール向けのスナッギングに強くストレッチ性のある「アクセンシャルゼブラ」や抗ピリング性能が高い「タフピリング」、元々スポーツ向けだったスクラムテックを逆にユニフォーム市場へ広げるなど、事業間連携で新たなニーズを捉える。