TPL、TJT 環境素材シフト加速
2024年10月02日 (水曜日)
帝人フロンティアのポリエステル長・短繊維製造販売タイ子会社、テイジン・ポリエステル〈タイランド〉(TPL)とテイジン〈タイランド〉(TJT)は、定番糸の販売を縮小する一方、再生ポリエステル繊維など環境素材へのシフトを加速させている。
また、欧米向け商流への供給を拡大する。
両社の社長を兼ねる浅田和重氏によると2024年度上半期(4~9月)の繊維事業商況は、不織布向けポリエステル短繊維や工業用ポリエステル長繊維など自動車関連商材の販売が低迷した。タイなど東南アジア地域での自動車生産台数が減少している影響が大きい。衣料向けなどそのほかの素材も欧米や中国の経済停滞傾向のため売上高は前年同期を下回ったもよう。
下半期に関しても現在の状況が続くとみる。このため昨年から需要減退が続いているスポーツ衣料向け原糸などは来期以降の需要回復に向けた開発を強化する。定番の延伸糸(SDY)や半延伸糸(POY)の自販を縮小する一方、再生ポリエステルチップ製造設備を導入したことを生かし、再生ポリエステル糸・わたなど環境配慮型素材へのシフトを加速させる。
タイ国内の川中繊維産業が縮小していることから、帝人フロンティアグループ各社に向けたグローバル開発・供給拠点としての役割を担う。このほど、コンジュゲート長繊維の生産整備を増設した。
また、旺盛な需要が続いているショートカットファイバーも25年末までに生産能力増強が完了する。帝人フロンティアグループとして中国や北米市場を中心に水処理用膜支持体向けの商流への供給拡大に取り組む。自動車関連用途やクッション材も欧米向け商流への販売拡大を進める。